2003年(平成15年)2月10日号

No.206

銀座一丁目新聞

ホーム
茶説
追悼録
花ある風景
競馬徒然草
安全地帯
ある教師の独り言
お耳を拝借
GINZA点描
銀座俳句道場
告知板
バックナンバー

ある教師の独り言(15)

-校長は怖いほど良い−

−水野 ひかり−

 管理職試験を受けないかと誘ってくださった(結局断ったが)先輩に「管理職にとって必要な条件ってなんだと思う」と聞かれた時、すかさず「嫌われてもへこたれない精神力」と答えたら「君らしいな」と言われた。
 誰だって嫌われるよりは好かれる自分でありたい。が、自分の立場が上へ行けば行くほど、私は嫌われるのを覚悟の上で仕事に向かわなければならないと思う。
 たとえば、朝遅刻していても平気な教師がいる、反対に退社時間前に帰ってしまう教師もいる。それを注意できない校長がいる。保護者とトラブルを起こしても相手の悪いところだけ挙げ連ねて自らを反省しない教師がいる。校長は苦笑しながら「あの人は癖があるからなあ」いって指導しない。こんな学校では教師間の中もしっくりいかない。馴れ合いムードがはびこり、いつもどこかで事件が起きる。
 校長は横暴とまでは行かなくても、頑固に信念を持って学校経営に臨んでもらいたい。私はピリッとしたムードで働きたい。幸いにして今の学校の校長はそうしたものを持っていらしゃると思う。
 昨年この学校に異動した私は、校長、教頭、教務がしっかりした方達だと感心した。職員には言いづらいことも大切だと思えばきちんと話す。教室に見えた校長も教頭も適切なアドバイスをして下さった。特に教頭は一日くるくると良く動き、対外的な活動も進んで取り組んでおられ、好感が持てた。それを同僚に話すと「貴方は人が良い」と言われてしまった。校長も私と同じ年に異動して来られたのだが、前の校長の時と今の校長の時とでは教頭の態度がまるっきり違うのだそうだ。うだうだと職員室にいてくだらないおしゃべりばかりしていたと言うのだ。管理職の態度に合わせてころころ態度を変えるのも問題ではあるが、しっかりした管理がある組織の下では、充実感を持って仕事に臨むことが出来る。やはり校長は怖くて当然、嫌われてなんぼだなと思う。

このページについてのお問い合わせは次の宛先までお願いします。(そのさい発行日記述をお忘れなく)
www@hb-arts.co.jp