2001年(平成13年)10月20日号

No.157

銀座一丁目新聞

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花ある風景(71)

 並木 徹

 アメリカ下院でブッシュ大統領に武力行使を認める決議が採択された。テレビではこの決議は圧倒的多数で可決されたと伝えていた。何故満場一致ではないのかと疑問に思ったが、そまま聞き流した。朝日新聞(9月16日)によると、たった一人、民主党の女性議員が反対したのである。その議員はカリフォルニア州選出バーバラ・リーさん(55歳)。理由は「誰かが抑制を利かせねばならない。決議の意味をじっくり考えるべきだ」というのである。賛成420対反対1。その政治行動にたいして深く敬意を表する。なお、上院は98対0であった。
 恐らく、日本であれば、心の中で「武力行使が世界的に暴力の悪循環を生むのではないか」と思っていても、まず、反対行動に出ない。出れば、つまはじきにされる。抗議の電話、投書、Eメールが殺到する。多数意見に反対しようもなら、かさにかかって圧殺しようとする。
 日本には少数意見を尊重する土壌がない。寛容と忍耐に欠け、とかく大勢順応型である。たしかに、民主主義は多数意見に従って政治を進めるのを本旨とする。その反面、少数意見の意とするところを生かす努力もする。時によっては少数意見が正しい場合もある。だから少数意見は尊重されなければならない。古今東西の歴史が物語っている。このことを、日本人はよく理解していない。相手の意見を尊重しない。自分と異なった意見の持ち主は不倶戴天の敵みたいに扱う。口もきかず、いやがらせ、いじめをする。村八分という言葉はけして死語ではない。
 少数意見には未来があるといわれている。その意味をよくかみしめてみるべきである。

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