2001年(平成13年)2月1日号

No.133

銀座一丁目新聞

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茶説

国民の声を無視するな

牧念人 悠々

 巨人軍のオーナー渡辺 恒雄さんがアテネ・オリンピックの野球チームに長島監督、松井、高橋など有力選手を参加させると明言した。当然であり、結構な話である。
 昨年、シドニー五輪で日本の野球チームが完敗した。本紙は10月1日号10月10日号の「花ある風景」で二回にわたり、この問題をとりあげ論じた。10月1日号ではプロ・アマ合同のチームの編成をよしとし、監督には森 祗昌さん、NHK 解説者 西田 善夫さんが推薦する長島 茂さんの名前をあげた。そして次のように要望した。
 「プロもアマも日本の野球の発展を考えてもらいたい。野球が今後とも盛んになるために目先にとらわれず、少年たちに、国民に夢と感動を与えるの野球の展開がぜひ必要だと思う」
 10月10日号では三つの提案をした。


 1、日本の野球の発展のために五輪チームはプロ・アマ合同編成とする。
 2、五輪チームは最強のメンバーで編成する。監督も例外ではではない。
 3、プロ選手の五輪出場のためセ・パ両リーグは試合の日程をふくめて協力する。


 この提案の線に沿って事が進められているのは嬉しい限りである。
 実は10月10日号にも続けてとりあげたのは、スポニチに寄せられた読者の怒りがあまりにもすさまじかったからである。「何故、国として一本にまとめることができないのか」「渡辺オーナー、中日オーナーは了見がせますぎる」「日本の野球関係者が力を一つにしてぶつかれば勝てたと思う」などと訴えていた。
 それなのに、新聞はこの読者の声を無視した。読者の怒りとその建設的意見を報道しなかった。ニュース感覚が麻痺しているのか、批判精神を失っているのか理解に苦しむ。
 恐らく、読売新聞にも読者からの怒りの声がスポニチ以上にきたのであろう。賢明な渡辺さんはそれを知ってこれまでの五輪チームへの不協力方針を改めたにちがいない。
 どうも昨今の新聞は読者の声を上手に吸い上げていないようである。心すべきことだと思う。

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