2000年(平成12年)6月10日号

No.110

銀座一丁目新聞

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茶説

政治は国民の関心の度合いできまる

牧念人 悠々

 6月25日は総選挙投票日。何はともあれ投票をと訴えたい。

 70%台の投票率があれば、無党派層の投票で政界地図はがらりと変わる。前回(96年)のように59%では話しにならない。

 有権者は愚者ではない。賢い投票行動をおこす。世論調査では森内閣の支持率は毎日20%、朝日19%、産経12・5%となっている。支持率18%の宮沢内閣の総選挙(1993年)では223議席に減り分裂もあって、政権を失なっている。無党派層の活発な活動は自公保の連立の枠組みを崩す恐れが多分にある。そうなれば、政界再編を招かざるを得ない。

 2000年は20世紀と21世紀の分水嶺の年である。日本の政治にとってきわめて大切なときである。この時、失言を繰り返す人をシャッポにいただく政党は老衰しているとしか思えない。時代の動きは極めて速い。

 今回の選挙では民主党、共産党など野党が健闘するであろう。しかも、情勢によっては野党連立政権実現の可能性も出てくる。そうなると、日本の政治も面白くなる。まあ、あわてずに政治を一歩、一歩よくしていく努力をかさねばなるまい。その芽はでている。女性候補を支持する会や欠陥議員を落選させる市民運動が起きている。政治の良し悪しは国民の関心の度合いによって決まる。国民の政治への関心が高いほど実りの多い政治が実現できる。

 重症の床にあってなお政治理念の高揚を求め続けた石橋湛山の言葉で締めくくりとしたい。「私権や私益で派閥を組み、その頭領に迎合して出世しようと考える人はもはや政治家ではない。政治家が高い理想を掲げて国民と進めば政治の腐敗堕落の根は絶える」(半藤 一利著「戦う石橋湛山」中公文庫)

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