2015年(平成27年)1月20日号

No.633

銀座一丁目新聞

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茶説

テロの脅威は世界に拡大する

 牧念人 悠々

 パリの週刊誌テログループによる襲撃事件は世界に「表現の自由を守れ」の声を響かせた。襲撃から1週間を迎えた仏週刊誌「シャルリーエプト」が表紙にイスラム教預言者ムハンマド(マホメット)の姿を掲載した。部数も通常の6万部から300万部に増やしたのに完売、さらに200万部増刷する。「表現の自由を守れ」の市民の気持ちの爆発だ。日本の新聞はこの風刺画の掲載を見送ったところもある。風刺画不掲載の新聞は「読者の知る権利」を放棄したといわざるを得ない。「表現の自由」とは嘘でない限り許される。「表現の自由」を自ら狭く解釈するなと言いたい。

 今更のようにテロの無謀と恐怖を知らしめた。日本も決して対岸視してはならない。これまでテログループの指導者の出した声明の中には日本もアルカイダのネットワークの攻撃の対象に挙げられている。目標は原子力発電所、交通機関、浄水場、ダム、自衛隊や在日米軍基地などである。さらに言えば、注目すべきは「イスラム国」の存在である。一向にその勢力は衰えない。「イスラム国」の共鳴者はインターネットを通じて「イスラム国」とつながる。その活動には国境がなく、フランスだけでなくテロの脅威はヨーロッパ全体に広がる恐れがある。すでにベルギーに飛び火した。

 69年間も戦争を体験していない日本人はテロ・戦争を我がこととして考えない。「常在戦場」の心構えもない。これまで歴代内閣が防衛政策を国政の最下位に位置づけしていたのを安倍晋三内閣になってやっと2015年度の防衛予算を3年連続で増加の4兆9801億円(昨年度比1000億円増)とした。

 2001年9・11アメリカで起きた同時テロ事件以来”テロの脅威”は叫ばれてきた。中国の軍事専門家はこのテロを「限定戦争」と名付けた。「限定戦争」の様相は同時・多発・突発・想定外である。「限定戦争」が単なる危惧に終わるよう願わざるを得ない。