2005年(平成17年)10月20日号

No.303

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競馬徒然草(61)

―天災は忘れた頃にやってくる― 

  アメリカ南部をハリケーン「カトリーナ」が襲い、大被害をもたらした。まさに「天災は忘れた頃にやってくる」だ。日本にはこの格言のような言葉があるが、アメリカにはあるのだろうか。こんなことが話題になったとき、「多分、ないだろう」という声が多かった。「災害が少ないからだよ」「その点、日本は地震や台風が多いからね」というわけだ。「予想もしないことが起きるのは、なにも自然現象に限らないよ」と、話が発展した。
 「競馬の馬券など、まさにそうだ」と、競馬ファンが言った。「予想がハズレて大波乱なんて、しょっちゅうだものな」と。これには誰もが頷いて、同感の意を示した。それから話題はまた格言に戻って、競馬格言づくりが始まった。
 「万馬券は、忘れた頃にやってくる」には、一同頷いて採用が決定した。そのほか次のようなものが挙げられたので、参考までに挙げてみる。
 「予想屋の予想は、信ずるべからず」。これには「予想屋の予想ははずして買え」という実践訓のようなものも出たが、「当たり前過ぎる」という声も出て、大方の賛同は得られなかった。しかし、新聞の予想など数人の予想が出ているが、どれも当たらないことが多いのだから、それらの予想をはずして買う
のも、いちがいに否定できない気もする。要は、他人の予想に頼るよりも、自分自身の予想を持てということだろう。
 それまで黙っていた先輩が言った。「金言や格言は戒めの言葉だから、それぞれの経験を通して、自分なりの戒めを作ればいいと思いますがね」。もっともなことだ。ちなみに、この先輩の場合、「必ずパドックで馬を見る」というのがある。馬の出来具合をチェックして、取捨選択する。いい馬が見つからないときは、買うのを見合わせる。従って、手を出さないレースが幾つもある。その代わり、「穴に狙っておもしろい馬を見つけたときは、その馬を狙う」という方法だ。「馬を見るようにしていれば、少しずつ分かってくるものですよ」。また、こうも言う。「競馬は今日だけでなく、1年中あるんですから」。
 言われてみればその通りだが、凡人には難しいようだ。格言は奥深い。

( 新倉 弘人)

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