2005年(平成17年)9月20日号

No.300

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競馬徒然草(59)

―裁定は公正か― 

  何事も公正でなければならない。レースにおいても
同様であるはずだ。しかし、納得のいかないことがあるのはどうしたことか。以前にも、この欄で触れたが、また取り上げて見る。
 新潟のレースで、フクノファイン(1着)に騎乗した田中剛が、「2日間の騎乗停止」処分を科せられた。
「最後の直線コースで外側に斜行」したとの理由で、処分は「2日間の騎乗停止」だけである。降着にはならず、着順も変更されなかった。この裁定については疑問の声が出た。「なぜ、降着にならないのか?」というわけだ。
 というのも、新潟開幕週のレースでは、同じようなケースで騎乗停止ではなく、「降着」になっているからだ。そのレースでは、後藤が騎乗したニシノフジムスメが、1位で入ったにもかかわらず、6着への降着になっている。直線コースで外側に斜行し、進路を妨害したとうのが理由である。1位で入ったのに降着だから、単勝、複勝、馬連、馬単、3連複といった同馬絡みの馬券はすべてハズレとなった。「公正」確保のため、厳しい処分も妥当と見られた。
 しかし、冒頭で取り上げたフクノファインの田中剛の場合は、同様に斜行して進路を妨害しているのに
「進路妨害」とは判定されず、「降着」には至らなかったのである。これでは裁定に納得できないファンがいるのも当然である。
 なぜ、同じようなケースでも、このような裁定の違いが出されるのだろうか。こうした素朴な疑問に対して、JRAはファンにも納得できる説明をすべきである。
直線コースで同じように斜行したケースでも、騎乗停止で済む場合と降着処分になることがあるのは、具体的にどのような基準によるものだろうか。そもそも、進路妨害の判定基準が解かり難い上、処分の程度を決める判断基準も、どうなっているのか分からない。こうした規準の問題を含めて、裁定の在り方そのものについても、「公正」確保のために明らかにすべきだろう。

( 新倉 弘人)

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