2013年(平成25年)9月1日号

No.584

銀座一丁目新聞

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花ある風景(502)

 

湘南 次郎

 

老いのヘリクツ
 

境界
 頼朝が鎌倉幕府を作ったとき、真っ先に問注所(もんちゅうしょ)を作った。つまり裁判所だ。それくらい土地争論があった。それを裁定して土地を安堵(あんど)してやったので、頼朝の信頼が増した。私も遠方にささやかな土地を持っていたことがある。様子を見に行ったとき、偶然、隣地所の持ち主のワル不動産屋が境界石を当方へ数メートルも移動し、造成して建物を建てるばかりになって侵害しているのに気付いた。早速抗議し、スッタモンダやっと原状復帰させた苦い経験がある。

 さて、わが日本は、勝手に境界線を引かれ、自国のものと称して、建物までも建てられた、そのうえ、大統領や政治家までも上陸、士気を鼓舞する。しかし、出るところに出て裁定を仰ぐのは断る。まだある、なにか、資源が出ることがわかると境界を自国の有利にするイジマシイ国もある。われわれが規範とした孔孟が出た国の面目やいかに。また、読者個人のお宅で境界石を動かされたらどうなさる?悪徳不動産屋のような相手にどうする?

挑発
 靖国神社に閣僚が参拝すると近隣諸国を挑発するという非常識な意見がある。また、国防費を増額すると挑発になるという。何のためもわからず、オスプレーを米軍が沖縄に持ってくると挑発だ。日本が右傾化して今にも戦争を始めるようなことをいう輩もいる。また、絶対に敵の攻撃はないというノーテンキもいる。尖閣諸島周辺に連日遊弋(ゆうよく)して挑発しているのはどこだ。与那国島の一件、自国防衛のため自衛隊駐留するのは他国への挑発なのか。わが国が海兵隊のような水陸両用部隊を置くため訓練、装備、施設には大変な手間ひまかけるが、これが挑発か。オスプレーもそうだ。兵器は新しいのにこしたことはない。古いのは危険が多いので取り替えるのは当然だ。同機は航続距離も輸送力、性能抜群だが、操縦訓練中は、ご苦労にも終日プラカードを持って必死に危険だ、隣国を挑発すると反対運動をする人々がいる。あの人たちのお仕事は?お給料は?とにかく訓練を制約、妨害する。勿論沖縄基地ばかりに依存するのは住民のためにはお気の毒で迷惑だろうが、国防上、戦略的位置を考えればやむを得まい。隣国は軍備を増強し核まで持つというのに、厚顔にもわが国の国防にまで介入してくる。日本もそろそろ憲法を改正して普通の国にならねばと考えるのが当然だと思う。別に飛びぬけてではなく、みなさんと同じような国になるのに何が不都合なのか? 

 振り返って個人のお宅を考えよう。普通はお出かけの時、カギをかけて行く。空き巣が出ればカネをかけでも頑丈なカギにする。これ、ドロボウを挑発か?
お宅はドロボウのために窓を開けて寝ているのかな?火事に備えて消火器を置いた。陳情して団地に消防派出所を開設してもらう。これで放火犯を挑発か?ワルに対しそれほど思いやる必要があるのか?

公平
 東洋人として内心、注目していた国連事務総長がやらかした。やはり血は争えぬ。母国では英雄かも知れないがこっちはガッカリだ。母国の記者から「日本政府の平和憲法改正に対する国連の立場」という質問を受けたたらしい(8/28産経新聞の「世界読解」による)。もちろん、自国にいい答えを引き出す魂胆の記者の誘導もあるだろうが、それに乗っかっておっしゃいましたね。「正しい歴史認識を持って・・・」とか、同じことを貴国の大統領もおっしゃいましたが、今、貴国のやっていることはどうでしょうか?日本では「反省ならサルでもしています」。このお言葉はそっくりノシを付けてお返しします。国連事務総長ともなればもっと大所高所に立っていただき、アッチ向いてホイ、コッチ向いてホイでは困る。国連憲章100条の「地位を損ずる」発言はぜひ、世界平和のため、慎しんでいただきたい。