2013年(平成25年)8月20日号

No.583

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茶説

覚悟せよ、来春4月からの消費税増税は実施される

  牧念人 悠々

 来春4月から所費税が5%から8%に引き上げられるかどうかで議論がかまびすしい。政府はこの秋に判断すると慎重に構えているが安倍晋三首相はすでに「引き上げ」を決断していると思える。国民は覚悟をしておいた方が良い。消費税は10%どころか更に上がるものと観ておいた方がよさそうである。それは増税が“アベノミックス“の一過程に過ぎず、日本の財政再建に欠かせないからだ。安倍政権の目標はあくまでも「デフレ脱却・日本経済の再建」にある。前例のないことに取り組むにはこの目標を忘れてはならない。なんとしても日本経済を成長軌道に乗せると意気込んでいる。最近値のGDPは2・6%である。今後もこの数値を維持できればよい。増税の決め手不足と指摘される「企業の設備投資」は国内の生産を増やす成長路線にかかせない課題。設備投資を企業が積極的にする政策が必要だ。個人消費が4月から6月、314兆円(0・8)と順調に推移しているのに設備投資は65兆円(▼0・1)である。経済成長を押し上げるためには少なくとも150兆円はほしい。ともかく元気な産業と企業が不可欠だ。そのために世界一高い法人税の引き下げ、成長産業への助成策、減価償却費の税制上の優遇措置など政策努力をしなければならなるまい。円安傾向にもかかわらず自動車各社が海外中心に設備投資しているのは海外の法人税が安く利益が出るからである。「大企業優遇をやめろ」とよく言われるが、これらの優遇策を立案実行してこなかったツケが今日きている。企業が業績を上げれば給与,雇用も伸びる。今日、国の借金は1008兆円。GDPの1・9倍である。先進国の中でも飛びぬけている。国民医療費だけでも年間30兆円を超え、とりわけ社会保障費は毎年1兆円以上増えつづけている。このままでは財政赤字は増えるばかりである。麻生財務相が「財政再建は外国との公約だ」というのもうなずける。日本の国債が暴落すれば世界経済に影響を及ぼす。この点からも増税への無言の圧力がかかる。経済成長のカギを握る一つが生産年齢人口である。年々減少して8017万人である(2012年10月)。少子化対策は極めて重要な問題である。女性の職場進出・保育施設の充実・有給保育期間の延長などきめ細かい施策が望まれる。なすべきことははっきりしている。成り行き任せや問題の先送りではだめだ。着実に政策を実行してゆくことでる。とりわけ前例のない「デフレ脱却」には首相の強いリーダーシップが求められるのは言うまでもない。