2013年(平成25年)1月20日号

No.562

銀座一丁目新聞

上へ
茶説
追悼録
花ある風景
競馬徒然草
安全地帯
いこいの広場
ファッションプラザ
山と私
銀座展望台(BLOG)
GINZA点描
銀座俳句道場
広告ニュース
バックナンバー

茶説

2013年の日本の政治・経済・社会はどう動くか

   牧念人 悠々 

 日本記者クラブの恒例の「2013年予想アンケート」(設問10問)をもとに日本の今年の動きを推測してみたい。まず政治。夏の参院選挙は自民、公明両党が圧勝するであろう。(設問自民、公明の両党合計議席が非改選と合わせて過半数を「占めるか」、「占めないか」)現在、参議院の勢力は自民83名、公明19で合計102名である。これに対して民主党88名、みんなの党11名、生活の党8名、共産党6名、民社党4名その他国民新党など合計12名で野党系は140議席を数える(欠員6名)。改選議席は121名(選挙区制73名、非拘束式比例代表制48名)である。自民党の非改選議席58である。過半数の122議席をとるためには64議席以上をとらねばならない。公明党が10議席前後とみても自民党は54以上をとる必要がある。昨年12月の衆議院選挙の勢いをそのまま持続すると見る。大型補正予算(13.1兆円)の成立、それに続く25年度予算が成立して脱デフレ政策、大胆な金融緩和政策、経済成長政策が明らかになるにつれて民主党が激減するであろう。獲得できなければ日本維新の会との連携も考えなければならない。ともかく安倍晋三内閣は長期政権となる(設問12月31日現在のわが国の首相は誰か)。

 次は経済。円安はどこまで進むのか。90円台までにはなると思うが果たして100円台になるか。難しい。(設問外国為替市場で円安が進み一時的にモ1ドル=100円台に突入することが「あるか」「ない」)。次が難問である。(設問年内に日本はTPP交渉に参加して「いる」「いない」)農業問題。壊滅するといわれる。これだけではない。国民健康保険制度も崩壊すると日本医師会は主張している。米国の保険会社が高額医療を日本の健康保険制度の対象にすることを求めてくる。現在の原則自己負担3割、保険7割という制度では高額医療を賄うことはできない。それを実現するとすれば日本の健康保険制度は崩壊するというのだ。「TPPは米国が日本国内にある富を、扉をこじ開け、吸い上げるための仕組みである」という識者がいる。安倍政権は交渉に参加する意思のように見える。次は日銀総裁問題。白川方明総裁の任期は4月9日で切れる。物価目標2%、大胆な金融政策を唱える安倍政権を支える日銀総裁が望ましいといわれる。麻生太郎副総理は「語学力があり、組織運営能力がある人」という条件を付ける。日銀総裁人事は衆参両院の同意がいる。参院で野党が多数の「ねじれ」状態では野党の協力がいる。無難な人事となろう。次期総裁候補には、元財務省の金融局長、黒田東彦アジア開発銀行総裁(68)、元日銀副総裁の岩田一政・日本経済研究センター理事長(66)、元日銀副総裁で元財務事務次官の武藤敏郎・大和総研理事長(69)、小泉政権で経済財政担当相を務めた竹中平蔵・慶大教授(61)、伊藤隆敏・東大大学院教授(62)らの名が挙がっている。「黒田東彦さん」とする(設問12月31日現在の日本銀行総裁は誰か)。次は原発問題。(設問12月31日現在、国内で稼働している原子力発電所の数は「 」基)。現在動いているのは大飯原発の2基だけである。安倍政権は原発政策については容認の方針のようである。3年のうちに一応の結論を出す。他の原発で再稼働の動きが出ても動かすまでには原子力規制委員会の審査、地元住民の同意などを得なくてはならず時間がかかる。そう簡単に原発を再稼働する雰囲気にはならない。当分は「2基」のままということになる。

 次は国際問題。(設問シリアのアサド政権が崩壊「する」「しない」)シリアでは国連の調べては内戦で6万人が死亡、50万人を超える難民が周辺国に流れ出している。食糧危機も起きている。「大きな人道的危機」にあるシリアをロシア、中国が武器を支援して自由諸国と対立している。この不条理な状態がいつまでも続くとは思われない。アサド政権の崩壊は時間の問題とみる。次は日中問題。先の政権時代、安倍晋三総理は“凍りついた日中関係”を「戦略互恵関係」に変え修復を図った。今回はどのような手を打つのか。(設問10月から年末までに尖閣諸島における領海・領空侵犯は「なくなっている」「なくなっていない」)習金平主席は軍部に力を持ち剛腕の持ち主とみる。反面若いとき地方で苦労を重ねているので人情の機微を理解できると思う。国内の矛盾を外部に向けるのはこれまでの常とう手段であるが、日中の経済はおたがいを必要とする。いつまでも争うのは愚の骨頂である。お互いの外交努力で決着つけるほかあるまい。時間がかかるかもしれない。

 次は東京オリンッピク招致問題。猪瀬直樹東京都知事や女子サッカーの沢稀穂選手がいち早くロンドンまで出かけPRをした。「日本を変えるのは東京から」と猪瀬都知事は張り切っている。他の候補地、トルコのイスタンプールとスペインのバルセロナと比べると世論の支持率が60%台で10ポイント以上も低すぎる。日本でも「前向きに気持ちを持て」との世論も次第に盛り上がってきている。これがクリアできれば東京開催も夢ではないだろう。(設問2020年夏季五輪の開催地が東京に「決まる」「決まらない」)

 最後が(設問競馬の凱旋門賞で日本の馬が優勝「する」「しない」)凱旋門賞は毎年10月の第一日曜日にフランス・ロンシャン競馬場で開催される。昨年はオルフェーヴル(2011年の三冠馬)が2着になった。優勝がほぼ確実とみられていた。今年はこれに匹敵する馬が見当たらない。それにしても競馬フアンに女性が多くなった。投資のつもりなのであろうか。自戒を込めてほどほどに越したことはない。