2012年(平成25年)1月10日号

No.561

銀座一丁目新聞

ホーム
茶説
追悼録
花ある風景
競馬徒然草
安全地帯
いこいの広場
ファッションプラザ
山と私
銀座展望台(BLOG)
GINZA点描
銀座俳句道場
広告ニュース
バックナンバー

 

安全地帯(381)

市ヶ谷 一郎


これでは中国は笑えない

 ここに帰化した中国の石 平氏の「なぜ中国人は残酷になれるのか」。ビジネス社の文庫本がある。なかには、蓁の始皇帝から始まる顔をそむけるような大量殺りくの残酷物語が書いてあるが、考えてみると、日本も江戸時代末(〜1867)までは、相当数の切腹、斬首の刑罰、暗殺、謀殺などを始め、全山宗教施設の焼き打ち、全部落や一族皆殺しなど、殺りくの歴史があったのであり、人数の大小はあっても中国は約10倍の人口があるのを考えると、おかしくない。関ヶ原や京都にある耳塚とか、首実見のあととか、戦国時代までは東西同じような事件が多い。ただ、わが国では捕虜を殺してその肉を塩づけにし、兵たちの非常食としたことまでは聞いたことはないが。最近でも、チベット、新疆ウイグル自治区、文化大革命などの殺りくは想像以上のものであったらしい。わが国では明治以後そんなことは無くなった。

 しかし、スケールは違うが、古くは連合赤軍浅間山荘事件、オウム真理教事件、昨年10月尼崎の民家で3遺体が見つかったのがきっかけで、縁者のコンクリート詰め遺体のドラム缶が海中から引き上げられるとか、女性の犯人は自殺してしまったが、まだまだ連続殺人らしい行方不明者がいる。てんかん病で京都の町なかを車を暴走させたり、高速道路のガードレールの端から串刺しに飛び込んだり、無免許で学童の通学の列に突っ込んだり世の中面白くないからと、繁華街で刃物を振り回すなど枚挙に暇なく、そのたびに多数の死傷者を出す悪い奴が出る。残酷なことである。

 殺傷ではないが残酷なことでは、厚生年金基金運用の多額のかすめ取ったAIJ投資顧問による企業年金消失事件だ。粉飾に次ぐ粉飾で、約90社が引っかかった。企業が労使汗水垂らして貯めた基金を詐欺により無くしてしまった。老後の蓄えとあてにしていたものはどうすればいいのだ。

 高速道路をドライブしていたら突然1.7tのコンクリートの天井板が落下、9人が死亡、2人が重傷、遭遇された方々は、まさに晴天の霹靂(へきれき)、さぞ無念であろう。吊りボルトの緩みか腐食、接着剤の老化が原因か。点検不良、中国の新幹線事件を思い出す。
 付言だが、オスプレイは危険、配備反対の運動はともかく、反対デモに凧や風船を挙げた大バカがいたそうだ。程度が悪いにも程がある。そんなものに接触したらどうなるか。わざわざ、危険と言いながら凶器を使って混乱させようという了見はどう考えてもおかしい。なぜ性能のいいオスプレイだけを標的にするのか。

 かつて、「東方の君子の国」といわれた日本国民の品格は?