安全地帯(373)
−市ヶ谷 一郎−
孔孟国家の品格
冒頭、あまり品のいいお話ではなくて失礼。落語で、キャバレーに行って女の子のお尻をさわったところ、彼女、怒って「あなたそれでも紳士なの?」。彼、「おらー紳士じゃあねー」。
領土問題は、お互いに歴史や経済・安全保障問題などお国の都合があるから一所懸命(自領の確保に命を懸ける)の交渉は当然のことだ。是非善悪は別とし、引くに引かれぬ、真剣な気持ちは、理解できる。
しかし、これからが「紳士じゃねー」・・・・。一方的にデモ、略奪、破壊加えて国旗を踏みにじり、焼く、製品不買のボイコットと、やりたい放題。その上、国際会議欠席の当てこすり、ミソもクソも区別のない無分別さに誰もが、顔をしかめる。譲歩すれば益々つけ入る。国家の品格いずこにありや。いい人も沢山いると思うが残念だ。国民性の違いか、率直にいえば品性下劣、つまり、狡(こ)すっからく、キタネーんだ!
小生たち戦前派は、漢文、修身の課目で、御地出身の尊敬する大偉人「孔孟の教え」を叩き込まれ、実践させられた。おまけに孔子さま、孟子さまと「様」までつけて教わった。「子(し)、曰(いわ)く・・・・」。この齢になっても暗唱出来る名文、美辞麗句は何だったのか?ああ、天道は地に墜ちる。
日本では、横浜中華街は繁盛し、御地の映画はBSで放映され、女子ゴルファーが優勝する。旧聞だが戦前、私の生まれた東京の町の隣組の中に、日支事変のころより蘭さんという中国人(当時シナ人)が、おいしい支那そばやをやっていた。日本語は下手だったが、みな、戦中、戦後、食料の配給など公平にして、子供3人は近所の学校へ、一緒に防空壕を作り、空襲になれば入って、少しも分け隔てなく当たり前と仲良くお付き合いし、面倒を見ていた。
それに引き換え、君たちのやっていることは、品格のある大国のやることではない。それを世界から見られているのだ。開業早々新幹線の事故車両を原因究明もしないで埋めたり堀出したり、開通直後の橋梁が崩壊し、重い車が通ったからだと、訳の判らぬことをいう。ある上海帰りの方の風聞として、上海は揚子江の堆積泥でできたところ、地盤は極めて軟弱、建築の杭を打ってもなかなか岩盤には到達せず、適当にやっているらしい。日本のようなまともな設計ではなく、まして見積りは上乗せ(わいろ用)は当たり前。大地震でも来れば半数の建物は崩壊か?つまり、張りぼて、でたらめの横行するところらしい。
そのような隣人へ、経済優先の企業が承知で進出し、製造や販売しているのを見て、まだ懲りないかとハラハラ愚考している。
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