競馬徒然草(182)
―凱旋門賞と日本馬―
10月3日に行われた第89回凱旋門賞(パリ・ロンシャン競馬場、芝2400メートル)で、日本のナカヤマフェスタ(牡4歳、美浦・二ノ宮厩舎)が、2着に入る健闘を見せた。凱旋門賞といえば世界的に有名な大レースで、歴史も古い。そのレースで2着に食い込んだのだから、立派なものだ。直線で鋭く追い込み、ゴール前では一瞬、勝てそうな期待感を抱かせる場面もあった。それだけに頭差は惜しいレースであった。
優勝したのは、今年の英国ダービー馬ワークホース(牡3歳)。3歳牡馬なので負担重量は56キロ。これに対して牡4歳のナカヤマフェスタの負担重量は59,5キロ。3,5キロの差がある。その差を考えると、優勝したに等しい内容だったと言ってもおかしくないほどだ。
ところで、凱旋門賞と日本馬ということでいえば、1999年に出走したエルコンドルパサーがやはり2着だった。凱旋門賞の壁の厚いことは十分かっているつもりでも、改めて感じざるを得ない。なお、同じ日に出走した日本馬のヴィクトワールピサ(牡3歳、栗東・角田厩舎)のほうは7着に終わった。競馬に限らないが、他のスポーツでも、日本が外国のレベルに達するためには、まだかなりの年月がかかるということだろうか。
(新倉 弘人) |