安全地帯(275)
−信濃 太郎−
ミュージカルは楽しきかな
劇団「ふるさときゃらばん」とミュージカル体験塾生によるバラエティーMUSICAL「レッツ!ショー」をみる(1月31日・東京・こまばエミナース)。相変わらず元気はつらつとしている。劇団の経営が厳しい中にあって、東京・小金井市にある「ふるさときゃらばん」の稽古場で開かれた新年会(1月23日)では、石塚克彦、天城美枝、寺本建雄らが「俺たちは歌って踊ってお芝居をやっておれば生きているんだ」といった様子で元気であったのは嬉しかった。
今回のミュージカルは昨年3月で一応の区切りをつけた「ミュージカル体験塾」の元塾生55人とふるきゃらの役者13人が参加している。1部と2部の構成。これまでに演じられた、きゃらばんのミュージカルのいろいろなシーンが出てくる。みんなまじめに熱心に演じている。熟年のおばさんは「あの目がいいのよ。輝いている」と興奮気味に語っていた。私は49人の女優たちが波の浴衣と笠をかぶってザンブザンブと太平洋の波となる所作事が印象に残った。それはまさにふるさときゃらばんが、今の日本が、困難・苦境に立ち向かって突き進んでいる様子さながらであった。「困難は避ければ追いかけてくる。立ち向かえば逃げてゆく」ものである。
マゼランの地球一周の冒険ドラマは迫力があった。今から491年も前の話。南米マゼラン海峡を発見さらに西に進みフイリッピン諸島を発見。地球が丸いことを証明する。マゼラン役は小山田錦司。最近髭を生やし貫録がついた。閉塞感の強い今の世の中、必要なのはマゼランのような『挑戦する気持ち』である。ふるさときゃらばんのお芝居はさまざまなメッセージを発している。所詮、この世は、会社は、人間のためにある。みんなで力を合わせて切り開いてゆくほかないことを痛感する。
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