2008年(平成20年)3月10日号

No.388

銀座一丁目新聞

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茶説

それでもネット社会は前進する

牧念人 悠々

  朝、パソコンを開き受信メールを見る。約100通くる。95パーセントが迷惑メールである。これをいちいち削除する。必要なメールを時には削除することもある。「自殺サイト」もあれば「援助交際サイト」もある。「レンコンと豆売ります。15万」なんて物騒なものまである。日本の現代社会をそのままネット社会に映し出しているにすぎない。あまり目くじらをたてなさるな。
 ホームページ「銀座一丁目新聞」を開設したのは11年前の平成9年4月である。正しい情報・少数意見を真面目に発表していけばネット社会では生き残っていけるだろうと、始めた。「茶説」「追悼録」「花ある風景」「安全地帯」の4本の原稿を10日ごとに書くのはしんどい仕事である。いずれもペンネームであるが茶説欄に本人の顔写真を掲載しているから匿名性はあまりない。これまでいくつかの特ダネや貴重な少数意見を発表したと自負する。
 ともかくネット社会はいやおうなく前進する。「住民基本台帳ネットワークシステム」は「電子政府・電子自治体」構想の基盤と位置付けられて進められている。行政の効率化のためには必要なものだ。今はまだもたもたしているがそのうち進んでくる。大阪高裁は「個人情報が集積され、本人の予期しない範囲で行政機関に利用される危険がある」として違憲判決を下したが、警察はともかく一般行政に「他人に知られたくない個人情報」を知る機会はほとんどない。今回の最高裁の判決で「住基ネット」は合憲となった。これから弾みをつけてゆかねばならない。個人情報保護法の過剰な反応から人の家の場所も教えず、個人の同意がなければ緊急時の地域の連絡網もできないというのは異常というほかない。
 ネット社会が生み出している有害情報は現実社会と大して変わらない。だから「有害」放置は政治の無知と簡単には言えない。家庭で、学校で子供を鍛えることを忘れた教育をしている間、違法・有害情報はネットから消えてなくなららいであろう。子供が親から守られ、人間として鍛えられておればそれら有害ネット情報を子供自身が跳ねのけるであろう。

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