2007年(平成19年)9月10日号

No.371

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競馬徒然草(121)

―JRAの改革― 

 馬インフルエンザ問題が大きかったため、その他のニュースが目立たなくなっていた。そのひとつはJRAの新理事長に土川健之氏が就任したことだ。新聞の扱いも小さかったので、見落とした人もいるほどだ。これまでJRAの理事長は、農林水産省からの天下りだった。それが天下りではなく、JRA生え抜きの理事長就任となったわけで、画期的なことだ。
 これを機に、JRAの最高決定機関となる経営委員会も新設された。これも規制緩和の一環ということのようだ。これまで様々な面で、監督官庁である農林水産省の認可や承認を必要としてきたが、これからはある程度、自主運営の幅が広がるようだ。
 経営委員会の委員は、理事長のほか外部の識者6人の計7人で構成される。委員長はトヨタ自動車の奥田碩・取締役相談役で、委員には毎日新聞社の牧太郎・専門編集委員が加わっているのが注目される。牧太郎氏はスポーツ紙(スポニチ)の競馬記事で有名だが、JRA批判をしてきたことでも知られる。

豊騎手はン水産省7お6日、小倉競馬の初日4勝のまとめ勝ちをし、JRA通算2944勝目を挙げた。岡部幸雄元騎手の持つ最多勝利記録を塗り替えたもので、デビューから20年4カ月での達成。岡部氏の記録を17年6カ月も上回るスピード記録となった。
 武豊騎手のデビューは87年。この1年目こそ69勝で2位だったが、2年目からは100勝以上を挙げ、コンスタントに勝利数を伸ばした。GTも2年目に菊花賞(スーパークリーク)を勝ち、以後は毎年いくつかのGT制覇を成し遂げている。
 
 ウオッカの本来の能力は、もっと高いはずだ。牡馬に混じってひけをとらず、ダービーを制覇したほどの馬である。そのことを考えると、今回の負け方はあまりにも落差が大きい。このウオッカには、フランスの凱旋門賞に出走するプランがあるという。凱旋門賞といえば、世界最高のレースだ。世界の強豪と戦って、果たして勝算はあるのか。少頭数のレースになるだろうから、枠順の有利、不利はないだろう。馬場状態もそれほど悪くならなければ、本来の力を発揮してもいいはずだが、果たしてどうだろうか。
 凱旋門賞では昨年、薬物問題で恥をさらしたばかりである。無様なレースは見たくない。ウオッカの真の力を見せて欲しいものだ。

( 新倉 弘人)

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