花ある風景(278)
並木 徹
アイスランドの夕べ
日本アイスランド協会と同国大使館共催で「アイスランドの夕べ」がさいたま市浦和区常盤のレストラン「千佳勢」で開かれた(6月15日)。出席者180名。協会名誉会長で前埼玉県知事土屋義彦さん、上田清司現知事、作家の大下英治さんらが姿を見せた。いま環境先進国として北欧のアイスランドが注目を浴びている。TBS「ニュース23」でも一時間番組で放映された(4月30日)。今年の3月、作家の渡邊淳一さんからバトンタッチされた会長の脇田巧彦さんは「私たちはすでに17年前にアイスランドの良さを知り、協会を設立、当時のヴィグディス大統領を再三招聘、両国の親善を深めていきました.6年前には大使館まで出来ました。最高の良質なラム肉を使った料理も用意されておりますので味わってください」と挨拶した。トーヅル・アイギル・オスカーソン駐日大使は「アイスランドには羊は50万頭もおり人口の30万人より多いのです」と笑わせた。主催者側が前知事と現知事の席をどうするか腐心したのを知ってかしらずでか、土屋名誉会長はアイスランドとの係わり合いを説明した後「現知事に始めて会いますが、別に何のわだかまりわりも持っておりません。今後知事選挙にも立つつもりもありません」と述べた。身内の不祥事で惜しまれた知事の職を去った土屋さんの見事な振る舞いであった。
私の席の隣にいた協会理事の栗原昭さん(昭和メタル・会長)は「自分の馬がオリンッピクの馬術競技で金メダルを取るのが夢です」と語る。茨城の牧場を持ち。ドイツでも馬を持ち調教させているという。日本を含めてアジアの馬ではヨーロッパの馬には立ち向かえないという。そういえば西竹一中尉(陸士36期・硫黄島で戦死大佐に昇進)が10回ロスアンゼルス・オリンッピク(昭和7年8月14日)の馬術競技大障害で優勝してから74年、未だに馬術で金メダルを取っていない。西中尉は幼児から馬に親しみ、陸士も騎兵科に進んだ。愛馬ウラヌス号は輸入の駿馬であった。ヨーロッパでは馬術は裕福な資産家が好んだスポーツだ。日本が馬、優秀な選手を育てるにはまだまだ時間がかかるという。理事にこのような人がいるのは嬉しい。
「千佳勢」の経営者の山岸平二さんも協会に理事で「味浪漫の旅」とて名付けた「食べる会」を企画、「アイスランの夕べ」が恒例の会の17夜にあたる。政界、財界.友人を一堂に集めて新しい出会いの場を提供している。奥さん思いのざっくばらんな人柄である。久し振りの会った大下英治さんから発売されたばかりの著書「大波乱!安倍自民VS小沢民主」(徳間文庫)を頂く。実りの多い「アイスランドの夕べ」であった。 |