2007年(平成19年)5月20号

No.360

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競馬徒然草(113)

―「実力」と「人気」― 

  「人気とは何ですかね」。競馬ファンのひとりが、そんな質問を口にした。「人気が低いと実力もないと思いがちだが、そうでもないからね」。オークスのレース後のことだから、オークスの結果についてのことだ。
 勝ったのは5番人気のローブデコルテ。中団の外から鋭く伸びて、1番人気のベッラレイアを負かした。きわどいハナ差の勝負だが、勝負強さが光った。「あんなに強い馬だったんですかね」。人気は必ずしも実力を示していない、というわけだ。その証拠に3着は8番人気のラブカーナ。2番人気のザレマは10着だ。配当的には小波乱、あるいは中波乱というべきか。それでも3連複、3連単は万馬券だった。
 ローブデコルテの勝ちタイムは、2分25秒3という速いものだ。これは90年エイシンサニー(2分26秒1)を上回る堂々たるオークスレコード。その点でも立派なものだ。それまでのレースは1600メートルまでの距離だったが、オークスは距離が初めての2400メートルだった。それで勝っただけでなく、オークスレコードまで出すのだから、文句の付けようがない。
 これほどの力があるのに、これまでは秘めていたことになる。真の「実力」とは、そういうものかもしれない。見極めるのは難しいものだ。表面的な「人気」だけでは判らないものだ。そのことを、ローブデコルテ
の勝利は示唆しているようだ。
 付け加えれば、ローブデコルテは外国産馬。外国産馬の初クラシック制覇。これも記録に残るだろう。今後の予定には、英国遠征プランもあるという。どんなレースをするか、期待したいものだ。

( 新倉 弘人)

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