2007年(平成19年)2月10号

No.350

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(104)

―相次いで高齢馬が死亡― 

  81年の有馬記念などを制したアンバーシャダイイ(牡30歳)が1月29日、けい養先のアロースタッド(北海道ひだか町)で死亡した。放牧中に右肩を骨折し回復困難により、安楽死となった。アンバーシャダイは、3歳時は条件馬に過ぎなかったが、4歳から急激な成長を遂げ、暮れの有馬記念でホウヨウボーイを破って優勝。6歳春の天皇賞ではホリスキーとの史上に残る激闘を制した。
 大種牡馬ノーザンテーストの後継として期待され、種牡馬生活でも多くの活躍馬を送り出した。メジロライアン、カミノクレッセ、レインボーアンバーなどの重賞馬がいる。産駒は古馬になってからも息の長い活躍を続ける馬が多く、内国産種牡馬のエースとして馬産地の人気も高かった。02年の種付けを最後に引退。その後はアロースタッドで静かに余生を送っていた。
 翌日の30日には、ビクトリアクラウンが死亡した。82年のエリザベス女王杯を制したビクトリアクラウン(牝28歳)が、繋養先の千代田牧場で老衰のため死んだ。00年に繁殖生活を終えた後は、同牧場で余生を送っていたが、今年に入って食欲が減退。関係者によって看護が続けられていた。
 同馬は84年に現役引退して繁殖入りし、ビュ―チフルロマンなど10頭の競走馬を送り出した。82、83年の有馬記念で対決したアンバーシャダイが29日に急死したばかり。一夜明けて、2歳年上のかつてのライバルの後を追うように、静かに息を引き取った。かつての活躍馬たちも、次々と姿を消していく。人々の記憶の風景からも消えていくことだろう。

( 新倉 弘人)

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