2006年(平成18年)12月20日号

No.345

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茶説

愛国心を育くもう

牧念人 悠々

 改正教育基本法の賛否を問えば、その人が国歌・日の丸を尊重するかしないかがわかる。反対者は国歌にも日の丸にも拒否反応を示すであろう。「改正教育基本法の成立は歴史的に大きな汚点をのこすであろう」とのたもうた大学教授も「今何故変えなければならないかわからない」と書いたコラミニストも国歌・日の丸には敬意を払わないであろう。もちろん「敵が攻めてきたらどうしますか」と質問されたら「逃げる」と答えるであろう。戦後、アメリカ占領軍が日本の軍国主義を払拭するためにとった教育、文化、思想などの改革は徹底したものでそれが見事成功した。戦後60年、大和魂をどこかへ奪い取られ腑抜けにされた大学教授、マスコミ人があちらこちらでのさばっている。
 ともかく改正教育基本法は成立した。愛国心と言えばすぐの戦前の国家主義を連想させるというものがいるが戦後60年、日本は民主主義国家として戦争を一度も起さず平和の道をひたすら進んできた。この60年の歴史的経過を踏まえた上での教育基本法の改正である。どの国の人々も愛国心を持っている。これに疑問を持つ日本人がいるのは戦後教育のせいである。まことに不思議な国である。個の尊重を説くために、自分のことばかりを考え他人を思いやることが少なくなった。利に走り他人を落としいれるようになった。我利我利亡者になってしまった。恐らく他人のために自分の命を犠牲にするようなことは考えもつかないであろう。教育基本法が出来たのは昭和22年3月31日である。占領期間中である。本来なら憲法とともに昭和27年4月28日、日本が独立を果たした時に改正すべきものであった。だから教育基本法の改正は遅すぎるのである。マスコミ人は日本の歴史をとりわけ占領時代・東京裁判をもっと知って欲しい。
 もともと憲法にしろ教育基本法にしろ占領軍が制定したもので国際法違反である。ハーグ条約の付属書「陸戦の法規慣例に関する規則」第43条には「国の権力が事実上占領者の上に移りたる上は、占領者は絶対的に支障なき限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく、公共の秩序及び生活を回復確保するために、施し得べき一切の手段を尽くすべし」とある。本来占領軍は憲法などには手をつけてはいけないのだ。
 国を愛する心はおのずと育つものである。法律に謳わなくてもよい。四季が巡り、その時々に様々な花が咲き誇り、天の恵みを受けて1億2000万人の日本人が暮らす敷島の大和の国である。「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」(数学者岡潔の言葉)の美的情緒を持つ日本人である。「武士道」の著者新渡戸稲造は「敷島の大和心を人問はば朝日に匂う山桜花」を引いて日本人の美的感覚を強調した。いい加減、目を覚ませよ。国を愛する心は当たり前の事である。日本人なら誰でも持っているものだ。

 

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