2006年(平成18年)11月1日号

No.340

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(95)

―菊花賞を見る眼― 

 今年の菊花賞はメイショウサムソンの3冠成るかが話題の一つだった。だが、1番人気に支持されたメイショウサムソンは、3着にも入れず4着に落ちるという不甲斐なさ。ファンの中には、「薬物を使えば勝っていただろうがね」などと、キツイ冗談をいう人もいた。薬物問題で話題になっているディープインパクトにひっかけてのことだ。勿論、メイショウサムソンが普段、薬物を使用しているというのではないし、2冠にもケチをつけようとするものではない。それほどディープインパクトの問題が大きな影響を投げかけているということだ。
 その菊花賞だが、1番人気メイショウサムソン4着、2番人気ドリームパスポート2着、3番人気アドマイヤメイン3着。上位人気の3頭が4着までに入ったのだから、まずまずの結果ということになるのだろう。ただ、勝ったソングオブウインドが8番人気だったので、番狂わせとなった。「まさか、薬物は使っていないだろうね」などと、またもキツイ冗談をいうファンがいる。それもこれもディープインパクトの薬物問題で、ファンを納得させる説明・発表がされていないことによる。
 それはともかくとして、勝ったソングオブウインドの場合、前走の神戸新聞杯で好走(3着)し、実力の片鱗を見せている。今回の勝ちタイム3分02秒7(レコード)も堂々たるものだ。ケチのつけようがない。武幸四郎騎手は菊花賞初制覇。記録を付け加えれば、父の武邦彦調教師は過去に3勝(タケホープ、キタノカチドキ、インターグシケン)、兄の武豊騎手は4勝(スーパークリーク、ダンスインザダーク、エアシャカール、ディープインパクト)しており、親子合わせて8勝目となる。ディープインパクト問題がスッキリしない時期とはいえ、新しい記録や話題はやはりいいものであるようだ。

( 新倉 弘人)

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