2006年(平成18年)5月10日号

No.323

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茶説

拉致問題にもっと怒れ

牧念人 悠々

 横田早紀江さんは米国議会で訴えた。「全世界の自由を愛する国民の総意で”怒っている”と北朝鮮に態度を示していただきたい」。早紀江さんのいうように物わかりの悪い北朝鮮には”怒っている”具体的な方法を示した方がよい。平和が長く続いている日本では”怒る”ことが苦手らしい。物わかりの良い、温厚な紳士が増えたとみえて、なかなか制裁に踏み切らない。米国が「資金洗浄の疑いが強い」として北朝鮮に金融制裁を加えたのはかなりの打撃を与えた。さらに一歩進めて「資金洗浄の疑い」の強い国と指定する動きもある。また、北朝鮮人権法(2004年10月制定)によって初めて北朝鮮から脱出してきた6人を難民に認定した。ブッシュ政権は北朝鮮の人権問題に強い態度を取る。当事者の日本の態度はどうも煮え切らない。米国以上の打撃を加えたらいい。まず日本でも北朝鮮の資金洗浄の疑いのある者・機関を排除せよ。北朝鮮は各国に武器を売っている。その代金が第三国を経由して日本で落ちるようにしている場合もあると聞く。拉致問題解決まで北朝鮮の船舶の日本への全面入港禁止、貿易禁止などを考えよ。そのための法律が日本には既に出来ている。相手の嫌がることをしなければ効果がない。アメリカは北朝鮮を「テロ支援リスト」に入れており、核問題を解決してゆく中で拉致問題も忘れずにやってゆくと明言している。こころ強い同盟国ではないか。
「すべての被害者を助け出し、これからの人生を自由な地で過ごさせてやりたい」(横田早紀江さんの発言)日本の拉致家族をはじめみんなの気持ちである。拉致は国の主権を侵害した許されざる犯罪である。それがいまだ解決していない。
林子平は「義とは、勇気を伴って為される決断力である。道理にまかせて決断をし、いささかもためらうことをしない心をいう。死ぬべき場合には死に、討つべき場合には討つことである」といった。(新渡戸稲造著・須知徳平訳「武士道」)不正義がまかり通っているのを見過ごすつもりか。「討つべき場合には討つ事である」と教えられても「国際的紛争解決のために武力を行使できない」日本は相手に制裁を加える以外の手段はない。義を貫徹するために必要なのは勇気と道理である。そして制裁を決断せよと声を大にしていいたい。

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