2000年(平成12年)10月1日号

No.121

銀座一丁目新聞

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花ある風景(36)

 並木 徹

 シドニー五輪で日本の野球チームは完敗した。プロで固めたアメリカ、韓国、実力抜群のキューバーに涙をのんだ。
プロ、アマ合同のチームに限界とスポーツ紙は伝え、4年の後アテネに課題を残したと書いた。
 筆者は五輪の野球チームはプロ、アマ合同でよいと考える。何よりも日本の野球の発展のためになるからである。五輪チームはアマによい目標をあたえ、プロとの交流によって野球を覚えるからである。出場した選手たちはそのよさを認めている。プロの選手については今回のようにセ、パ両リーグの足並みがあわないのでは困る。12球団からださなくても、少なくても、セ側は、パ側に近づいてもらいたい。プロ野球が興行である以上、日程と選手を大事にするのはよくわかる。そのなかで解決の道はあるはずである。大局にたって判断すべきだと思う。
 プロチームでなければ、勝てないということはない。短期決戦である以上、采配、試合の流れ、によってプロ、アマチームでも勝つチャンスはある。たとえば、監督には西武の監督だった森 祗昌さんではどうか。西田 善夫さんは「今世紀最後のシドニー五輪には今世紀最大のスター長島監督をもってきては・・・」と提案さえしていた。
 国民の五輪野球の関心をどうか解釈するのか。視聴率は巨人戦のカードよりはるかに高かった。野球ファンならずとも松坂(西武)、黒木(ロッテ)、松中(ダイエー)、中村(近鉄)、田口(オリックス)、田中(日本ハム)、鈴木(中日
)の名前と顔を覚えた。これからそれぞれの選手のファンになろう。また、オリンピックの舞台で戦った選手たちは大きく成長していくにちがいない。
 要はプロもアマも日本の野球の発展を考えて貰いたい。野球が今後とも盛んになるために目先にとらわれず、少年たちに国民に夢と感動をあたえる野球の展開がぜひとも必要だと思う。

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