ユーモアは人を楽しませてくれる。話がはずむ。トゲトゲしい雰囲気がなごやかになる。
毎日新聞の夕刊(8月31日)に映画「プライベート・ライアン」を見よの見出しでつぎのような記事が出ていた。(ロサンゼルス30日時事)
アメリカ・テキサス州の裁判所が軍人記念公園の施設を壊した少年・少女ら9人に対して第二次大戦を扱ったスティーブン・スピルバーク監督の映画「プライベート・ライアン」の観賞などを命じる判決を言い渡した。
少女2人をふくむ9人は今年の2月・第一次、第二次大戦やベトナム戦争などで従軍した人達の名前を刻んだ記念碑などを壊して2万ドル(約212万円相当)の損害を与えた。
裁判官は「君たちと同じ年ごろの兵隊さんたちが戦場で自らの命を犠牲にしたんだよ」と少年たちを諭し、映画観賞のほか軍人をテーマにした本を読み、その感想文を12月7日まで書くことを命じた。
このユーモアあふれる判決に感心した。
2年前にこの映画をみた。感動し涙した。
筋書きはこうである。ノルマンデイ上陸作戦の最中、アメリカ歩兵師団のジョン。ミラー大尉(トム・ハンクス)に軍上層部から「新兵ライアンを救出せよ」の命が下る。ライアン二等兵の三人の兄たちはこの戦争で戦死したため「残る一人を生きて祖国へ連れ戻せ」というのが国と軍の決定であった。ミラー大尉ら八人の隊員は救出に向かう。幾多の死線をへてライアンと逢う。ライアンが所属する空挺部隊は敵の機甲師団の包囲下にあった。三人の兄の戦死を聞いてライアンは涙するが、自分だけの救出には反対、「兄弟同然の戦友を見殺しにはできない。その兄弟たちと一緒に戦って死んでいったと母親に伝えてほしい」という。ミラー大尉らもともに踏みとどまって戦う・・・
日本の場合であれば、器物損壊で3年以下の懲役または罰金もしくは科料である。日本の裁判でも時折、味のある文言をいれた判決がみられが、このようなユーモアある判決があってもいい。