2000年(平成12年)1月20日号

No.96

銀座一丁目新聞

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茶説

今年のキーワード「憲法」

牧念人 悠々

 今年のキーワードのひとつは「憲法」である。折りにふれて憲法について書いてみたい。別に難しい話しをするつもりはない。

 まずはひまがあれば、日本国憲法を読むことをお進めする。前文、第一章天皇から第11章補則まで目を通してほしい。

 前文にはこんなことが書いてある。「国政は国民の厳粛な信託によるものである。その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理である」とある。これは1863年11月、ゲチスバークでの、リンカーンの演説「人民の、人民による、人民のための政治」という民主主義政治の基本原理を指す。

 それにしても、国会議員のなかに威張っている者が少なくないのはどうしてか。明らかに感違いをしている。国民にかわってその権力を行使しているにすぎない。国会議員を何も先生と呼ぶ必要はない。さんずけで結構である。また、国民が享受すべき福利の少ないのも残念である。

 だから、選挙が大切なのである。今年は総選挙がある。

 どうも、日本人は政治にも選挙にも無関心のようである。憲法についてはなおさらである。私たちを守ってくれる国の基本法なのである。もっと関心をもってほしい。

 毎日新聞時代、友人の編集局長は5月3日の憲法の日に特集として憲法全文(前文、本文11章103条からなる)を掲載したことがる。私もスポニチの社長時代、憲法の日には著名人の「憲法論」を毎年、掲載した経験をもつ。読者に憲法に関心をもってほしかったからである。新聞が憲法の日に単に憲法の行事だけをのせているのは残念でならない。

 新聞人の志は必ず読者に伝わるものである。

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