2005年(平成17年)7月20日号

No.294

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競馬徒然草(53)

―シーザリオの快挙・牝馬の話題― 

 今年のアメリカンオークス(芝約2000メートル、12頭)は7月3日、米カリフオルニア州のハリウッド競馬場で行なわれ、日本のオークス馬シーザリオ(3歳牝・福永祐一騎手)が優勝し、日米のオークスを制覇するという快挙を成し遂げた。しかもレースレコードの1分59秒3。まさに実力を見せつけた勝利だった。好スタートを切ったシーザリオは、3番手につけると3コーナーで先頭に立った。最後の直線では、末脚を伸ばして後続馬を一気に突き放し、2着馬(メリョールアインダ)に4馬身差をつける圧勝だった。
 このレースは昨年、桜花賞馬ダンスインザムード(武豊騎乗)が挑戦し、2着に敗れている。日本馬にとって、その雪辱でもあった。日本牝馬の米GTレース制覇は初の快挙である。単にアメリカの重賞勝ちということだけなら、過去にも例がある。1959年にハクチカラがワシントンバースデーハンディを制している。46年も昔のことである。日本馬がアメリカで勝つことの難しさと、 その価値の大きさを感じさせる。しかも、今回はGTのアメリカンオークスである。シーザリオという馬名は、シェークスピアの戯曲に出てくる男装の麗人の名というが、なんとも強い「麗人」が現れたものだ。
   一般に、牝馬は牡馬に比べて弱いとされる。一般的な傾向として、能力、特に体力的にはそうなのだろうが、国内に限れば、過去の大レースには牡馬を負かした強い牝馬もいた。例えばダービー。1937年(昭和12)にはヒサトモ、1943年(昭和18)にはクリフジが、ダービーで優勝している。皐月賞でも、47年(昭和22)にトキツカゼ、翌48年(昭和23)にはヒデヒカリが優勝している。菊花賞でも43年(昭和18)にクリフジ、45年(昭和22)ブラウニーが優勝、牡馬勢を一蹴している。さらに天皇賞では、なんと12頭もが優勝しているのだから、一概に牝馬だから弱いとは決め付けられないものがある。
 人間の社会でも、女性が活躍する時代である。「男勝り」という
言葉も死語になったかと思われるほどである。男装の麗人の名を取って付けられたシーザリオなどの活躍は、その1つの象徴かも知れない。

( 新倉 弘人)

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