2005年(平成17年)2月10日号

No.278

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(41)

―3連単の魅力― 

  「投資100円の配当が405万円とは!これには驚いたね」。JRA史上最高配当が飛び出した翌日、会う人ごとにこんな話で持ちきりだった。「できることなら、そんな幸運にあやかりたいね」と、誰もがそんなことを口にした。「3連単は凄いね」と、3連単の魅力を再認識した形だった。
 話題の高額配当が飛び出したのは、1月23日の小倉第9レース。3連単馬券で、JRA史上最高配当の405万530円。昨年9月に全国発売されて以降、高額配当記録を塗り替えている3連単だが、この日の配当は過去最高だった去年11月20日の285万7890円(東京9レース)を、120万円も上回る大幅更新。3360通り中2316番人気で、159万1671票中、的中票数は僅か29票だった。当日、小倉競馬場の入場者は1万人だったが、入場者は誰1人この馬券を手にできなかった。的中馬券はすべて場外と電話投票。溜め息が漏れるのも当然だろう。
 波乱の第9レース(芝1800メートル)は、1着から11着までが0秒6差におさまる大混戦。ハナを切ったメイショウオオナミ(12番人気)を追い込んだトーワライアン(8番人気)がかわしたところへ、最内からメジロシルエット(15番人気)が鋭く抜け出して1着ゴール。1番人気のタイキマーズが4着に敗れ、高配当につながった。2番人気のノビーディードは8着、3番人気のカイシュウコンドルは14着だった。上位人気が壊滅したのだから、超高額配当になったのも頷ける。
 いずれにしても、今回の事例は、とかく人気偏重の買い方をする多くのファンに、1つのショックを与えたようだ。それとともに、3連単の魅力が改めて再認識されることになった。そんな馬券、とても取れるとも思えないが、「できることなら・・」と、思わないでもない。そこで、名月をもじった俳句ならぬ川柳を1句紹介する。
  穴馬券取ってくれろと泣く子かな

( 新倉 弘人)

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