2000年(平成12年)5月1日号

No.106

銀座一丁目新聞

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花ある風景(21)

並木 徹

動物はどちらかといえば好きではない。小学生のころ、犬にかまれたからである。中国・東北部ハルビンで9歳の時、友達の家を訪ねようとしてその隣家の犬にいきなり右足のひざをかまれた。病院で七針縫うケガであった。麻酔を使わなかったので、とてもいたかった。犬は子供を産んだばかりで、私が子犬を盗みにきたと誤解したらしい。犬の母性本能に感心したことをおぼえている。さて、平岩道夫と雅代父娘のアフリカ動物写真展をみにいった(4月21日から5月11日まで,東京・新宿・光陽商事ビル2F・3F)。


驚いたことに,動物が子供を護り,大切に育てているではないか。象にしろ、ライオンにしろキリンにしろ子供を真中にして休んでおり,常に外敵から護る姿勢を示している。けして子供を車の中において母親がパチンコに打ち興ずるようなことはしない。


チーターが木に登っている写真があった。平岩さんの説明ではチーターは足のつめが鋭くないので木に登らない動物とされていたそうで、この写真は世界的にめずらしいという。ケニア政府からこの写真を売ってくれと申し込まれたが,平岩さんは考えて無償で譲った。ところが、ケニア政府はこの写真を使って国の宣伝をしたので忽ち有名となり,日本では電通,博報堂が買いにきてかえって儲けたそうだ。


同時に開催している「私のアフリカ傑作ミニ写真展」も面白い。14回も「平岩父娘アフリカツアー」に同行した林 美恵子さんが平岩スクールの子供たちの写真を展示していた。三度の食事にお酒をかかせないダンナ様を日本においてのアフリカ旅行である。写真に写った子供たちの目が輝いている。生き生きしている。大自然の中,野生動物の生息環境を守りながら豊な生活を楽しんでいるとこうなるのであろうか。動物の写真展をみていると,いろいろ考えさせられる。

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