2011年(平成23年)8月1日号

No.511

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茶説

原発と原爆について考える

 

牧念人 悠々

 8月6日、広島原爆忌。9日、長崎原爆忌を迎える。今、日本は原発を今後どうするか、「廃止する」か「維持、増加してゆく」かと大問題となっている。世論は賛否相半ばしている。まず、ここに原発保有国とその発電量・人口数をあげる。現在31国が原発持っている。
米国 2億1800万トン 3億1038万人
フランス 1億1500万トン 6278万人
日本 6730万トン 1億2653万人
ロシア 4280万トン 1億7359万人
韓国 3930万トン 4818万人
ドイツ 3870万トン 8212万人
カナダ 2450万トン 3401万人
ウクライナ 2340万トン 4544万人
中国 1780万トン 13億4733万人
スウェーデン 1670万トン 937万人
スペイン 1540万トン 4607万人
イギリス 1370万トン 6203万人
ベルギー 1190万トン 171万人
台湾 1060万トン 2316万人
スイス 725万トン 766万人
チェコ 694万トン 1049万人
フィンランド 598万トン 4469万人
スロバキア 440万トン 5462万人
ブルガリア 413万トン 7494万人
ハンガリー 388万トン 9983万人
インド 383万トン 12億2451万人
ブラジル 364万トン 1億9493万人
南アフリカ 339万トン 5013万人
ルーマニア 293万トン 2148万人
リトアニア 262万トン 3323万人
メキシコ 256万トン 1億1342万人
アルゼンチン 191万トン 4041万人
スロベニア 164万トン 2029万人
オランダ 109万トン 1661万人
アルメニア 64万トン 3092万人
パキスタン 42万トン 1億7359万人

(発電量は石油換算・2008年調べ・人口は2010年調べ)

 オーストリア、オーストラリア、デンマーク、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ニュージランド、ポルトガル等は原発を持っていない。ここから何が見えてくるのか。はっきり言えるのは原発保有国が先進国だけではないということである。

 同期生たちの勉強会「相武台会」(87回・7月23日プラウドシティ東林間2階会議室)で園部忠君が脱原発は@、安定性A発電密度(単位当たりパワー)B安全保障(エネルギ―政策と安保)について考察せねばならないと説いた。単なる思いつきで「脱原発」を唱える問題ではない。現在日本の総発電量は戦後復興期の約6倍であるという。
現在の発電量の構成はLNG31%、原子力29%、石炭25%、石油6%、水力8%、自然エネルギー1%。総発電量9550億KWである。現在のエネルギー源の主力はLNG.原子力、石炭である。期待の太陽光発電は広大なスペースを必要とする。100万キロワット(原発1基分相当)を得るためには山手線内側に匹敵する広大なスペースを必要とする。その発電量262・7万KWである。原子力はエネルギー源としては重要な位置を占めているのはいうまでもない。

 園部君と同じく原発について安全保障政策に関係していると指摘するのは東大大学院準教授川島博之さんである。つまりウランを燃焼させることにより生じるプルトニュームは原子爆弾の原料になる。原発を製造しそれを維持する技術は、原爆を製造する技術につながる。原発を持っている国は、何かの際に短時間で原爆を作ることができるという。川島さんは「原発保有国と発電量を見ていると核兵器を持ちたいという思いの強さが伝わってくる」という。その例として韓国を挙げる。3039億トンの発電量は世界で5番目である。北朝鮮のことを考えれば核を持ちたいであろうと察する。この思いは旧共産圏に属する小国や台湾も同じであると川島さんは言う。注目すべきことである。つまり原発保有は経済的な理由の他に力の外交の一助という意味合いもある。

 現在核を持っている国は米、英、露、仏,中の5大国のほかインド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルである。持ちたがっているのはイラン、シリアである。核兵器を保有した北朝鮮の傲慢の態度を見れば理解できよう。絶対的に安全であると言い切れない原発を保有し続ける根拠は国の安全保障と大きくかかわっているからである。チェルノプイリを抱えるウクライナは原発を今なお持っており、イタリアは国民投票で原発を廃止した。ドイツもまた原発から撤退しようとしている。要は国民の意思が決めることになろう。