2010年(平成23年)2月10日号

No.494

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茶説

大相撲春場所中止に思う
 

牧念人 悠々

 大相撲の八百長問題について「銀座展望台」に2日間にわたり次のように書いた。
『大相撲今度は八百長相撲でゆれる。昨年7月野球賭博で捜索を受けた際、押収された携帯電話から12名(実際は14名)の力士に疑惑が浮かぶ。
今のところ十両の力士一人と親方一人が八百長の関与を認めたと言われる(その後4名となる)。この際、膿はすべて出せ。この世の中、悪に染まる者は少ない。殆どは真面目に仕事をしている者ばかりだ。組織としては少数のために迷惑をする。
今度も「春場所中止」「NHKのテレビ放送中止」などの馬鹿なこと言い出す者がいる。
「春場所」は開催しろ。「テレビ大相撲放送」はやれ・・・』(2月3日「銀座展望台」)
日本人は建前が好きである。声の大きい方が通る。

『予想通りである。早くも「春場所中止」「NHK中継中止」の声出る。八百長はあってはならないことだ。言うまでもない。「根源的な問題」と言うが何処の組織でも犯罪は起きている。NHKでも職員の不祥事が過去に起きている。その時放送を中止したのか。
大相撲の多くの力士は真面目に相撲をしている。少数の不届者のために多数の者が犠牲になって良いのか。よく考えよ。
相撲フアンを馬鹿にしてはいけない。フアンは無気力相撲にはこれまで拍手を送ってこなかった。土俵一杯に展開される熱戦に拍手したのだ。NHKも新聞も独りよがりの判断をするな』(2月4日「銀座展望台」)

 日本相撲協会が正式に春場所(3月13日)の中止を決定したのは2月6日であった。本場所の中止は65年ぶり。前回は1946年に第二次世界大戦で破損した両国国技館の改修が遅れていたのが原因で、不祥事による中止は今回が初めてある。異常な出来事である。
昨今の日本人は「正論」や「透明性」がお好きなようで、「黙認」や「あいまいさ」がお嫌いのようである。

 と思っていたら、石原慎太郎都知事が本音を述べていた(2月8日朝日新聞)。「あんなもの、むかしから当たり前のことであったんだよ。これからの一番、八百長でございますっておとなくしてやるわけじゃねえんだから、だまされてみて楽しんでりゃいいんじゃないの。(略)世間もずいぶんものを知らなくなったというか。ばれてしまえばだな、やっぱりそれはいかんということになるだろうけれどね。(略)」

 石原都知事は私の気持ちを代弁してくれた。だから私は今なお大相撲中止に反対である。「正義面(つら)」する奴が気に食わない・・・