2010年(平成22年)12月1日号

No.487

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茶説

「しつけ」と心を磨くということ
 

牧念人 悠々

 11月25日の銀座展望台に次のように書いた。


『▼今年暮れのNHKの紅白歌合戦に「トイレの神様」を歌う植村花奈さん(27)がはじめて選ばれた。快挙である。

歌詞は「トイレにはそれはそれはきれいな女神さまがいるんやで だから毎日きれいにしたら 女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで・・・」

掃除は実は難しい。廊下の雑巾がけをやってみるといい・雑巾の絞り方で廊下に水をポトポト落としてしまう。よく拭かないと雑巾を掛けないところが出てくる。掃除はその人の人柄が出てくる。ピカピカに磨くことによって心も磨かれてくる。だから「女神様みたいにべっぴんさんになれる」のである。

戦後65年私たちが忘れていたものをこの歌が思い出させてくれた。私たちはあまりにも自己的になりすぎた。自己中心主義であった。「心を磨くこと」を忘れていたのに気がつく」

植村さんは小学生のころ事情あってお婆さんに育てられた。トイレをピカピカの掃除することをしつけられたおかげで念願の『紅白歌合戦』に出場できることになった。地下に眠るお婆さんもさぞや喜んでいることであろう。

しつけは大事である。作家の小薗江圭子さんは母から厳しく洗濯物の干し方を教えられたという。つまり、外から見て見苦しくないように,直接肌に着ける下着は内側に干せ」と教えられた。シーツやタオルなどはダラット斜めに下がったりしないようにきちんと二つ折りにして竿にとどめた。その洗濯バサミの位置さえ左右が同じ高さにせよとうるさいほどであったそうだ。7人兄弟の私は母から洗濯物の干し方を教えられた。洗濯物の干し方を見ればその家の家風がわかる。食べ物屋の家の洗濯物の干し方が悪かったらお客さんの入りは少ないであろう。

現代の若者のマナーの悪さを見れば家庭でのしつけは全くなされていないといってよいだろう。折に触れて植村花菜さんの歌を聴いてほしい。