2008年(平成20年)3月1日号

No.388

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競馬徒然草(132)

―強い馬が勝つということ― 

  どういう結果になるか予想が難しいとき、「ギヤンブルみたいなものだ」とか、「競馬みたいなものだ」などといわれる。変なところで引き合いに出され、競馬には迷惑かも知れないが、多くの人を納得させてしまうのだから、止むを得ない。そんな競馬だが、ときには例外もあるようだ。先日(2月24日)のフェブラリーSがそうだ。
 最も強いと見られたヴァーミリアンが1番人気に支持され、その人気に応えて堂々と勝った。枠順が大外の8枠であったので、武豊騎手もスタート後は無理に内側の馬群に入れようとせず、先行馬を内に見る形で6番手で折り合った。勝負どころの直線では無理なく内側から脚を伸ばし、そのまま押し切った。追いすがるブルーコンコルドに、2馬身近い差をつける圧勝だった。ヴァーミリアンは、これでダートのGTを4連勝。
 ダートではもはや「敵なし」の存在だ。終わって見れば、「やはり強かった」ということになるのだが、このような印象を与えるレースは、最近では珍しいといっていいほどだ。「強そうに見られる馬」が、しばしば負けて波乱になるケースが多いからだ。「強い」と見られる馬が、人気に応えて堂々と勝つ。そんなレースは、爽快感のようなものを感じさせる。それは競馬などが持つ独特のものかもしれない。
 ヴァーミリアンはこの後、世界最高賞金のレース、ドバイワールドC(ダート2000)への出走予定と伝えられる。その力が世界の強豪を相手に通用するか、大いに多い注目されるところだ。

( 新倉 弘人)

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