競馬徒然草(130)
―7歳馬に「遅い春」―
先週のアメリカJCC(GU、中山・芝2200)で、エアシェイディ(牡7)がようやく重賞レースに勝った。これまで重賞レースに14戦出走したが、1度も勝てなかった。よくて2着(それも6回)。それがようやく勝った。「母デジャヴー期待の良血」といわれて期待が高かったことを思えば信じ難いことだ。
デビューから4年3カ月、23戦目での重賞初制覇。もう7歳なので、ようやく巡ってきた「遅い春」だ。過去10年のアメリカJCCを振り返って見ると、7歳馬で勝ったケースは2回ある。03年のマグナーテンと、06年のシルクフェイマス。今回のエアシェイディが3頭目だが、今回は2着(トウショウナイト)も7歳馬。7歳というと、馬の世界では現役引退の時期。エアシェイディの場合も、そろそろ引退が考えられてもおかしくない。
引退となれば今後は種牡馬の道を選ぶだろうが、重賞レースでの優勝があるとないとでは、種牡馬としての価値が違ってくる。それを考えれば、関係者も胸を撫で下ろしていることだろう。ともかく今回の「遅い春」を祝福したい。 (
新倉 弘人) |