2007年(平成19年)10月1日号

No.373

銀座一丁目新聞

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花ある風景(288)

並木 徹

日ごろの生活を楽しく過ごすために

 親しい友人に小園江圭子さんの「生活美人」(明治書院)を進められた。小園江さんとは今は疎遠になっているが、毎日新聞の社会部デスク時代知り合い、顔見知りである。知的で魅力ある人であった。私の好きなタイプである。友人の話によるとメキシコオリンッピクの際、お土産にコーヒー店でタダで頂戴した貴重なカップを彼女にプレゼントしたという。私はすっかり忘れていた。思えばその時私は長々と講釈してプレゼントした記憶がある。この本には「プレゼントはさりげなく」するものだと書かれている。それで私は「この広い野原いっぱい咲く花を…」の作詞家でもある彼女に嫌われたのかとも思う。「道を訊かれる」章にメキシコの話が出てくる。メキシコでは道を尋ねると、その場所を知らなくてもでたらめを教える。それがメキシコ流の親切である。メキシコオリンッピク取材中しばしばこの被害にあった。彼女はよく道を聞かれる。どこに出かけるにも普段着みたいないでたちのため地元の人思われるためらしい。外出の際着飾らないのは好ましい。
「ああ大学病院」の章には病院の待ち時間に苦情を呈する。「3時間待って3分診療」を体験する。「腰痛難民」で「誰かに何かしてもらう」のではなくて「自分でする」ことの大切さを説く。私は自分の体を守るのは自分自身だと思っている。同期生以外の医者は信用しないし、薬は絶対に飲まない。日常食べる食材が薬の効果をもっていると信じている。毎朝、しょうがをおろしてお湯に入れ蜂蜜を添えて飲む。血がサラサラになる。あとは「歩く」ことを心がけている。
「ものをきれいに食べる人」は「洋服を汚したくない」という一心からそうするのだという。なるほど私など洋服、ワイシャツなどによく食べ物のシミをつける。この気持ちがあればたち振る舞いも良くなるらしい。早速、実行しよう。彼女は電車の中で邪魔な位置の大バッグを蹴とばして注意を喚起する。骨折のもとである。口で注意した方がいいのではないかと思うが・・・。私はシルバーシートで携帯を使っている若者に時折注意する。彼女の血液型もB型かな。
トマトという名をもつ猫が彼女の涙をなめたという感動的な話を紹介する。私は猫、犬がどうしても好きになれない。子供の時、犬に足を噛まれ7針も縫う災難にあったためである。私もトマトのように慰めてくれる猫がいたら好きになれるかもしれない。
「生活美人」とは他人に迷惑をかけず自分の趣味に生き日常生活を塩梅良く楽しく生きることを指すようである。私などは著者以上に「生活美男」だと自負する。と書くとまた小園江さんに嫌われるかもしれないなあ・・・。

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