安全地帯(177)
−信濃 太郎−
佐久市の権現山一帯が公園になる
恒例の長野県佐久市の権現山碑前祭に参加した(4月20日)。前日の寒さがウソのような温かな日和であった。昨年は肌寒く桜もつぼみであったが今年は満開であった。「皇居遥拝跡碑」と「依田英房翁顕彰碑」の前に参集した同期生は北海道、岩手、東海などから42名を数えた。私たちが念願とした権現山の公園化に佐久市が今年から予算をつけ公園整備に動き始めた。
「櫻吹雪兵どもも80歳」(悠々)
残念であったのは権現山の記念碑の維持管理・公園化に努力、奔走、碑前祭には必ず姿を見せた三浦章君が長男・正章君の胸に抱かれて遺影で出席したことだ。あの訥々とした語り口が忘れる事が出来ない。
「碑前祭こぞの友亡く櫻咲く」(悠々)
来賓として佐久市副市長、竹花健太郎様(前望月町長)、同市議会副議長、坂本久夫様、同市議会議員、三浦正久様が出席された。竹花副市長が來賓として挨拶「学校本部のあった望月町長でしたので皆様と厚いつながりを感じております。皆様の期待に応えて公園整備を始めます」と約束する。
この朝、昨年の同じく新宿西口にバスが用意される。午前8時半33名がバスで現地に向う。車中で村井益男君が依田英房翁から頂いた直筆「カニ」の絵の色紙を回し見した。梶川和男
君の説明では「カニ」の絵は「依田翁顕彰碑」の碑石裏の銅版に刻み込まれており、生前翁が好んで揮毫されたものだという。山内長昌君が「新聞広告で佐久に関する本を見た」と高木国雄著「佐久の水音」(作品社)を紹介する。武士を捨て新田を開発した五郎兵衛の物語である。山内君の好奇心に感心する。早速ネットでその本を申し込む。昨年望月高校の生徒達が作った「望月陸軍士官学校」の冊子を送った北海道の野俣明君がわざわざ席まで来て「君の大連時代の友人松岡さん(58期・山砲・札幌在住)に電話して言伝を聞いてきたよ」と、リハビリ中の松岡さんの消息を伝えてくれた。同期生の気配りが嬉しい。現地まで3時間、つかのまの旅は人情の機微に触れ、貴重な情報交換の場でもあった。
「書読む友に励まされ花愛でる」(悠々)
2次会の「佐久ホテル」には三浦大介市長が公務の合間を縫って姿をみせ「あわてず、出来るところから公園化します。来年は碑前祭に参ります」と挨拶する。おかげで宴会は例年になく盛り上がった。