競馬徒然草(33)
―秋深し、隣は何を・・・―
京王杯2歳S(GU、東京)で、1番人気のマイネルレコルトが5着に敗れた。それまで3戦3勝だったが、初めて土がついた。勝ったのは、9番人気のスキップジャック。この結果、今年これまでの2歳重賞レースの勝ち馬が、すべて異なることになった。
参考までに、今年の2歳重賞を振り返ってみると、勝ち馬は次の通りだ。
8月 函館2歳S(GV)アンブロワーズ
9月 小倉2歳S(GV)コスモヴァレンチ
新潟2歳S(GV)マイネルレコルト
10月 札幌2歳S(GV)ストーミーカフェ
デイリー杯2歳S(GV)ペールギュント
11月 ファンタジーS(GV)ラインクラフト
京王杯2歳S(GU)スキップジャック
こうして眺めてみると、今年の2歳馬の層の厚さを示すとともに、来年のクラシックへ向けての厳しい展望を予感させるようだ。
いや、来年のクラシックを云々する前に、差し当たって暮れの大レースの行方が注目される。2歳牡馬にとっては、初のGTである朝日杯FS(12月12日、中山)。2歳牝馬にとっては、やはり最初のGTである阪神ジュベナイルF(12月5日、京都)。前者は今年の2歳牡馬のナンバー1を、後者は2歳牝馬のナンバー1を決めるレース。前記の馬たちの中から、どの馬が勝ち名乗りを挙げるか、それとも別路線から新たに台頭してくる馬が現われるか、興味深い。
なお、今年これまでの重賞の勝ち馬を種牡馬の点から見ると、種牡馬がすべて異なるのも興味深い。大種牡馬サンデーサイレンスの最終年度産駒は僅か1頭(ペールギュント)。種牡馬の戦国時代を思わせる。どの種牡馬の産駒が脚光を浴びるのだろうか。そういう意味でも、差し迫る暮れの2つの大レースは注目される。ファンも選択に頭を悩ませるだろう。
秋深し 隣は何を買う人ぞ (
新倉 弘人) |