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川柳「老人は死んで下さい国のため」に思う
何気なく新聞(1月24日付朝日)をみていたら、ショックな川柳がとびこんできた。 「老人は/死んで下さい/国のため」 読んでみると、高齢化社会では若ものの負担が増えて、大変なことになる。「生きてて悪いか」という老人の反応のようである。 70代の人の作だそうだが、風刺とはいえ、こんなに卑下する必要は全くない。 73歳の筆者は、あと50年生きる積りである。だから、老人とは思っていない。老いは理想を失った時にくる。生涯ジャーナリストとして生きたい。その志を失いたくないと念じている。 「銀座一丁目新聞」で茶説を執筆、すぐれたジャーナリストを育てるためマスコミ塾を開いているのも、このためである。 朝おきると、冷水摩擦(50余年つづけている)、柔軟体操、木刀の素振りをするほか、1日1万歩以上歩く。おかげでこれまで大病をしたことはない。 生活のモットーは3つ。1、人と接するに温顔をもってする。2、事を処するに自然流をもってする。3、日ごろ、何事に付け悠々たる態度を保つ。 若干説明をする。昔から瞬間湯沸かし器といわれたほど怒りっぽいので、常に笑顔を見せる。怒りからは憎しみしか生まれない。また怒れば顔のシワも増える。 物事を処理するのに無理をしないのが何よりも肝要。耐えるところは耐える。自然流とは万事に消極的であると言うのではなく、時には嵐のごとく、時には疾風のごとく動くこともある。また、折にふれて、月をめで花を愛する余裕を持つのである。 ともかく、こせこせせず、天地がゆっくりめぐるように悠々と構えたいと思っている。 趣味は俳句。新年の句では武原はんさんの「新玉の/扇一つを/命とも」がいい。地唄舞いで至芸を披露していた武原はんさんが、いまやこの世にいないのが、なんとしても悲しい。 この正月、長野の戸隠村の丸太小屋ですごした。その時の句。 「元旦や/古きハウスに/薪火燃ゆ」 心の中で目標へ熱き火をもやす。①歩道の自転車 ②携帯電話 ③政財官のリーダー ④車内の座席 ⑤テレビの低俗番組 ⑥言葉の乱れ ⑦低金利政策 ⑧犬と飼い主 ⑨病院の待ち時間(高齢者の腹の立つ順位、1月24日付朝日より)に対しては、温顔で接し、自然で処理し、悠々としていきたいものである。
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