2000年(平成12年)11月10日号

No.125

銀座一丁目新聞

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茶説

自分が変わらなければ・・・・

牧念人 悠々

 品川をよみがえらせた男、綱島 信一さん(51)の話を聞いた(10月30日)。
 ふるきゃら倶楽部(東京・高田馬場)からの案内状にはつぎのようにあった。


 ―地元の大崎駅は山手線29駅の中でも乗降客の数はビリ(実は後ろから二番目)。『町づくりはビルづくりではない』町にはお年寄りや子供の笑い声が必要だ。30年かかって
ダメになった商店街が一回のイベントをやったぐらいで良くなるわけがない。しかし、イベントは地域の人と人を結ぶ『接着剤』。自分の足で立ち上がり町をおもしろくしようと人と人を結びつける自称『品川のつなぎ屋』は今日も東奔西走中だ―

 話は面白かった。常識にとらわれず、即断即決、実行あるのみ。相手の懐に飛び込み相手にも利益(効果)があるように協力を求め、話をまとめる。なるほどと思う。
 日本全国の商店街は高度成長期にくらべると、三分の一まで衰退した。コンビニ、スーパーにくわれしまったからである。商店の年収は200万円から300万円しかないという。また後継者難にも悩んでいる現状だそうだ。
 品川駅前の食堂の息子に生まれた綱島さんはしゃぶしゃぶ屋などを経営しており、大崎西口商店街会長でもある。いまから13年前、山手線に『品川夢さん橋』号を走らせて一躍有名になった。大崎駅を始発としノンストップで一周し、大崎駅まで戻ってくるという企画で、電車の中には肩もみ隊あり、動物とのふれあいの場もありさまざまなイベントが組まれた。いまも続いており、人と人をつなぐ大きなイベントとなっている。
 企業の体育館でのスポーツ大会、微笑み美人コンテストなどつぎからつぎに若者、主婦などを巻き込んでイベントを行った。
 自ら行動をおこす綱島さんの哲学は『自ら変えること』である。自分たちの町は自分たちの力で活性化する。他人まかせではダメである。そのきっかけとなるのがイベントである。自分たちでやる気をおこし、自分で勉強し研究する。金がなければ、頭を使い、足を動かす。そうすれば、人と人のコミュニケーションは、楽しければ、ほっておいてもひろがって行くというのである。
 町を変えるのは町民自身なのである。行政任せ、他人まかせでは町は発展しない。綱島さんの話を聞いていると元気がでてくる。

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