2000年(平成12年)3月20日号

No.102

銀座一丁目新聞

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花ある風景(17)

並木 徹

 驚きである。歌も踊りもできなかった塾生たちが一年の稽古でミユージカルを見事に演じた。しかも入場料1500円をいただき、1800人もはいるホールをほぼ満員にした。日本人のエネルギーも見捨てたものではないと感じいった次第である。


 昨年4月開講した「ミユージカル体験塾」の塾生71人が,卒業公演ミユージカル「ビオトーブ大作戦」と銘打って3月12日,東京・虎ノ門ホールで開いた。


 塾生といっても12歳の小学生の女の子から67歳の男性まで職業はさまざま。OL15人,福祉関係、フリーター・タン誌記者各5人 小、中、大学生12人などである。女性が多く59人を数える。殆ど経験のない人たちがこの一年歌、ダンス、お芝居のレッスンを重ねてきた。自主的な練習までした。
この体験塾は文化放送が開いてるさまざまな生涯学習の実践講座のひとつ。劇団「ふるさときゃらばん」が全面的に応援した。今回の演出は石塚克彦さん、脚本、石塚さん、天城美枝さん、作曲,寺本健雄三,振り付けCHACOと劇団ダンススタッフデアッタ。マタ、ミユージカルにも動物たちの役は劇団員たちが友情出演した。


 ストーリーはXアルファ星人の呼びかけで,ビオトープ・マシンという環境浄化オールマイテイのマシンを部品現地調達で作って地球を救おうとする。その機械の効果は抜群で武蔵野の森もよみがえり,動物たちも大喜び,ハヤブサもキツネも帰ってくる。ところが、宇宙人がスパイだとか、侵略のために来たとかという噂が広がり、さまざまなトラブルが起きる。最後はハピーエンドに終わるというもの。踊りやセリフはともかく歌は心にひびくものがあった。ミユージカルが好きで好きで頑張る人たちの意気込みと熱意が十分伝わる舞台であった。

註 ビオ・トープとは壊され,汚染された環境のなかで姿を消していく動植物を呼び戻そうと,行われている川ずくり,里山ずくりなどの生物環境を守るうごきのことです。ビオは生命のことトープは土地・環境ことをいいます

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