2011年(平成23年)10月1日号

No.516

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花ある風景(432)

 

並木 徹

 

 気と深呼吸について
 

 深呼吸が健康に良いことはあまり知られていなようである。健康だけでなく野球、相撲などにも良い結果をもたらす。

 喧嘩の上手な人から「息を吐きながら下がる相手には気をつけよ」といわれた。いつでも反撃できるよう相手が構えているからである。野球の打者は「球を打つ際に息を吐きながら打つ」そうすれば球の芯にあたれば遠へ飛ぶ。

 9月26日の『銀座展望台』に次のように書いた。
 「4年ぶりに日本人大関誕生する。関脇琴将菊、大相撲9月場所で横綱を破って12勝3敗の成績は立派である。

 この場所の好成績の理由は常に平常心を保つことができたからである。それを支えたのは『深呼吸』であった。人間は緊張すると体の筋肉が委縮していつものようには動かなくなる。それを深呼吸を含めた学者の指導のもとのトレーニングで克服したようである。

 野球の投手でも集中したり、心を鎮めるたりするために「深呼吸」をする。かぁ〜となった時に深呼吸をすると意外に効果がある。筋肉もほぐれるのである。

 『深呼吸』は健康にもよいとされている。要は継続することだ。今後の琴将菊の活躍が楽しみである」

 NHKテレビで琴奨菊が心理学者を訪ねリラックする方法などを聞くのを見た。この場所は良い成績を残し大関昇進は間違いないと思った。

 貝原益軒はその著『養生訓』で「心は身体の主人である。だから平静に保たなければいけない」「気を養う術は常に腰を正しくしすえて真気を丹田に集め、呼吸を静かにし荒くせず、事をするときは胸中から何度も軽く気を吐きだして、胸中に気を集めないで丹田に気を集めなければならない」と説いている。

 アメリカの威信を担って各国を飛び回っているヒラリー・クリントン国務長官(63)も健康法の一つに「よく深呼吸すること」を挙げている。

 古今東西、健康は薬に頼るのではなく自分自身の体を使って事をなすものであるというのが鉄則である。