2005年(平成17年)4月1日号

No.283

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(127)

「蛙のお守り」

芹澤 かずこ

 1ヶ月余も経って、もう殆んど諦めていた財布が戻って来た。戻ったというより出てきた、というべきか。それもやはり職場から。何度も、隈なく、徹底的に探した場所から見つかったので、神隠しか、それとも故意にか。でも無くしたと思っていたものが無事に戻ってきたので、深く詮索せずに、お財布に入れてあった『蛙のお守り』のお陰で、と思うことにした。
 本物の蛙は、体形的に好きではないけれど、お守りの蛙は好んで幾つも持っていて、お財布やバックや化粧ポーチの中に入れて持ち歩いている。玄関にも白い石の可愛い蛙を置いていて、出入りに頭を撫でている。
 けれど、お守りも然る事ながら、自分の思いが正しかったと証明されたことの方が何より嬉しい。2度もスリにやられたり、落したりしたのでは自分のバカさ加減を世に知らしめるようなもの。
 あれから、とても慎重になった。それまで無造作に置きっ放しにしていたものも、必ず身につけて外出するようになったし、持ち物の点検も怠らないようにしている。電車の急停車と同じく、自分の身は自分で守ること。でも、常にこんなに気を張っていたのでは、いくら緊張が若返りの秘訣とはいえ、草臥れ果ててしまうのでは?!



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