2004年(平成16年)12月20日号

No.273

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(36)

―4年回顧・朝日杯FS― 

  今年を回顧するとき、まず関東馬の健闘が挙げられる。「西高東低」に異変が生じていたことは、しばしば取り上げてきたことだが、その極め付けは、朝日杯FS(12月12日、中山)だった。関東の2歳牡馬マイネルレコルトが見事に勝ち、2歳ナンバー1に輝いた。
 その朝日杯FSのことから書くことにしよう。マイネルレコルトへの期待は、レース前の当欄でも記したので、ご記憶の方も多いだろう。新聞各紙の予想は高くなかった。それが鮮やかに勝った。中団待機から早めに好位に上がり、逃げ粘るストーミーカフェを直線で捉え、2馬身差をつける快勝だった。直線で見せた脚は鋭く(上がり35秒3)、勝ちタイムは1分33秒4のレコード。堂々たる勝利だった。レコードタイムまでは予測しなかったが、文句のつけようがない勝ち方だった。この朝日杯FSの記録は、長く歴史に残るだろう。
 マイネルレコルトは、馬格の小柄な馬である。440キロ台(当日は448キロ)は、牝馬ならともかく、牡馬としては馬格が小さい。だが、秘めている能力と根性には見るべきものがある。だからこそ
  当欄の末尾にも、こう記しておいたものだ。「山椒は小粒でも・・」の喩えもあるではないか、と。また、この馬が異色ともいえるのは、
  血統的にいわゆる良血馬とはいえない点だ。マイネルレコルトは、父チーフベアハート、母ミヤギミノル。特に高い評価の血統ではない。というのも、チーフベアハートはまだ活躍馬を出していないからだ。従って、一般にまだ馴染みも薄い。血統を重視する専門家の評価が低かったのも頷ける。その意味では、血統論者の完敗でもあった。
  繰り返すようだが、マイネルレコルトは血統的にも馬格の点でも、
  これまでのいわゆる「強い馬」の持つ概念では捉えられない馬である。このことは特記してよいことだろう。なお、この馬の父について補足すれば、98年ジャパンC4着。翌99年に種牡馬としてJRAが購入。産駒のGT勝ちは、今回のマイネルレコルトが初。
  さて、そのマイネルレコルトだが、来年はクラシックを目指すことになる。まず、クラシック1冠目の皐月賞が当面の目標だろう。
  朝日杯FS(1600メートル)より距離が400メートル延びる。初めて経験する2000メートルだが、距離はこなせるだろうか。ダービーの2400メートルはともかくとして、2000メートルはまず大丈夫だろう。母ミヤギミノルの父はタイテエム。といっても、知らないファンが多いだろう。かつての天皇賞馬(1973年、天皇賞・春)だ。その血が脈々と、マイネルレコルトには受け継がれていると見たい。

( 新倉 弘人)

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