2004年(平成16年)12月20日号

No.273

銀座一丁目新聞

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茶説

世相を象徴する今年の漢字は「優」「太」なり


牧念人 悠々

 世相を象徴する今年の漢字は「災」と決まった。日本漢字検定協会(京都)の主催で、全国から9万2000通の応募があった。そのうち「災」が2万9000通あった。その理由として新潟中越地震、相次いで日本に上陸した台風、イラクでの人質殺害、幼児虐待などがあげられた。世相は暗く、災害が多かった。私は暗い災害、事件から明るい面を探す。新潟中越地震を例にとれば、土砂崩れに会い車に閉じ込められながら奇跡の生還をした皆川優太君の名前を取って「優」か「太」とする。この時代を「やさしく」「たくましく」生きる意味でも選ばれていい漢字である。

 <生き抜いた子は優太なり秋の夜> 悠々

 私が推奨する漢字は「志」である。ついで「謝」(感謝)、「進」(前向き)である。3月に筑波大学名誉教授、遺伝学者の村上和雄さんの「生命の暗号」「生命の暗号2」など3冊を読んだ。村上さんの講演も聴いた。謙虚な人柄であった。「遺伝子の働きはそれを取り巻く環境や外からの刺激によって変わってくる」という。心が充実すれば遺伝子のよい回路がONになる。人間は良い仕事ができる。そのためには志を高く持ち、人に感謝し、何事にも前向きに対処せよと提案する。その通りだと思う。病気になるのは遺伝子の悪い回路がいままでOFFであったのが、マイナス思考でONになるからである。もともと薬嫌いであるが、薬など飲まずに村上さんの本を読んだほうが病気は治る。
 人知れずに実行しているのは「一日一善」である。どんなささやかなことでも良いから「良いこと」を心掛けている。なんとなく気分が良くなる。長生の秘訣でもある。特に人から頼まれたことは嫌な顔せず実行するようにしている。

  <行く年や志持ち一人行く> 悠々

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