2004年(平成16年)11月10日号

No.269

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(32)

―波乱の立役者― 

  天皇賞(秋)は、1番人気のゼンノロブロイ(牡4)が快勝したが、2着に3差牝馬のダンスインザムード(16番人気)の食い込みもあって、数々の記録を立てた。まず、ゼンノロブロイだが、GT挑戦6戦目で念願叶っての初勝利。騎乗したペリエ騎手は、昨年のシンボリクリスエスに続く2勝目。藤澤和雄調教師にとっては、一昨年、昨年に続いての3連覇で、史上初の同一GT3連覇の偉業となった。それだけでなく、同厩舎のダンスインザムードが2着に入ったことで、1着、2着を独占する快挙となった。
 ダンスインザムードの好走もまた、今年の天皇賞(秋)を飾る記録の1つとして称えられていい。4歳以上の牡馬に伍して、3歳牝馬としての好走は歴史に残るだろう。しかも、ダンスインザムードは軽視されて、13番人気だった。そのためレースは波乱となり、高配当となった。馬連8210円、馬単1万2240円。なお、3着も8番人気だったため、3連複は3万230円。そして3連単となると、20万7930円の高配当。それもこれも13番人気のダンスインザムードの好走によるのだから、波乱の立役者はダンスインザムードだといえる。
 この馬が波乱の立役者となったのには、3歳牝馬が4歳以上の牡馬に伍しては不利と見られ、軽視され過ぎたことが挙げられる。前走の秋華賞での敗戦(4着)も、人気を低くさせていた。だが、あのレースは本調子になく、本来の力を発揮できずに終わっていた。その点を、多くのファンは能力不足と見誤っていた。それが証拠に藤澤調教師は、中2週のきついローテーションにも拘らず、敢えて天皇賞への出走を決断している。4歳以上の牡馬に伍しても遜色ないと、力を評価していたからだ。さらに、腕のいい外人騎手(ルメール)を騎乗させてきた。
 こうしてダンスインザムードは、なるべくして波乱の立役者となった。表面的な人気を追うことの愚を、多くのファンに知らしめもした。そういう意味でも、記録に残る天皇賞であった。

( 新倉 弘人)

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