2000年(平成12年)3月1日号

No.100

銀座一丁目新聞

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茶説

「罪無き人に石を投げるな」

牧念人 悠々

 新潟県警本部長と関東警察局長に対する新聞、テレビの風当たりが強い.冷静に考えれば、首をかしげざるを得ない。マスコミにはあまり正義ずらするなといいたい。

 組織論から見て、本部長がいてもいなくても、現場で指揮をとるのは刑事部長である。現場での指示から記者会見のやり方まであくまで刑事部長が自分の責任で処理すればことたりる。困ったことがおきれば、本部長に伺いを立てれば良い.今回の事件の内容かみて、容疑者はすでに確保しているのだから、逃走もしくは自殺防止策だけを考え、措置する必要がる。刑事部長の手にあまる案件ではないはずである。

 たとえ、本部長が不在でもFAX、携帯電話、インターネットが普及している現在、現場にいなければ、問題の処理がスムースにいかないという不都合はあるまい。本部長が「本部へ戻らなくてもいい」という判断したのも、刑事部長が立派に職責を果たしてくれると信じた面もあろう。私が本部長だとしても、状況から見て、本部にもどらずマージャンを楽しんだであろう.余りめくじらをたてるな。

 しかし、ウソの広報をしたのは反省の要がある。「事実を述べる」「うそを言わない」 「自分たちに不利益なことはいわない」というのが広報の三原則である。この原則に忠実でなかったのは残念である。

 関東管区警察局長の監察について感想をのべる。

 監察は時間をかければいいというものではない。15分もあれば、局長として大局からの監察ができる。要は中味である。私が局長であれば、警察本部に行く前に一ヶ所交番により、引継ぎ簿ないし交番日誌をみて勤務ぶりを調べる。

 ついでに警察署により、窓口での市民への応対ぶりをみる。ついでにトイレを拝見する。そうすれば、警察の士気、規律などの良し悪しは判断できる。監察にきた警察局長が僅かな時間しか仕事をしなかったといって別に非難されるべきではない。また、余暇を割いて地方を視察する意欲を買う。物見遊山でどこが悪いのか。本部長とマージャンを楽しむ。いいではないか。賭け事をやれば相手の人間がわかる。コミユニケーションもよくなる。

 ヨハネによる福音書は書いているではないか。姦淫の現行中を捕まえられた女が石で撃ち殺されようとしたとき、イエスはいった。「あなたの中で罪のない者がまずこの女に石を投げつけるが良い」誰ひとり石は投げなかった。
まして今回の場合,二人は本質的に罪人ではない。何故,石を投げるのか・・・

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