道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第104回決着!! 12月の兼題は 「おでん」、他、自由でした。
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【評】助監督、スタッフ、衣装のままの脇役やエキストラ…。 口の重い主人…。「撮影所前の」で、客の会話まで想像させます。 御見事でした。 |
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【評】「蛸の足」が誠に結構。 |
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【評】御慰めの言葉もありません。北風から守るようにしっかりと抱く遺影。 いつしか抱き合い、母に守られている思いでしょうか。 見送られたことは最大の孝行。どうか、お辛さを力とされますように。 |
【秀 逸】
関取の横に座りておでん酒 韶一 |
【評】 十両以上がお関取。コップ酒に「まあ一杯」と差したら、「ごっつあんです」と言ったでしょうか。 |
おでん一つ眺めて待ちおり来る年を さかもとひろし |
【評】静かな年越し。こういう年越しもなかなかに味があります。 |
石蕗咲くや日向岬の桂状岩 満子 |
【評】しっかりと書かれています。石蕗の花の配し方お上手でした。 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
湯気の中親子でつつくおでんかな 明法
○夕日浴び一人ぽつちが群れる鴨
○まなうらも焔たつかな冬入日
○命まであたためられるおでんかな 方江
湯たんぽを自由自在に抱きしめて
確かに人間を抱くよりも自由自在でしょうが、あの湯たんぽの感覚と自由自在はいま一つ伝わり難いです。
こころ秘め逢えぬ想いの冬苺
「逢えぬ想い」だけで、上五は必要なし。
○おでん鍋湯気にとけこむ話かな 高風
おでん鍋仕分けよろしき鍋奉行
おでんは長く煮るので、鍋奉行の出番は少ない感じがします。
○手袋に残るあの日の握手かな
○ちゃん付けで呼び合ふ初老おでん鍋 照子
○がんばらないと云いつつ老の師走かな
今年は…と言いつつ、ついつい何もかも。まだまだお元気!
○息災に動きし手足冬至風呂
しみじみとイイですね。自愛の姿。
憂国の弁舌今もちゃんちゃんこ あゆ
○参道の弁慶像も煤払
○振り返る母の病舎や冬の星 美沙
○冬晴れや母の真白き骨を拾う
「を」を削ってください。
○身の丈に合わす贅沢おでん鍋 竹風
首すくめ師走の屋台コップ酒
○噛み合わぬ会話も楽し年忘れ
○丸イスの腰の痛みとおでん酒 韶一
靴紐を結び給うや雪の朝
先ず課長控えし部下やおでん鍋 瞳夢
恋文をおきわすれたりや冬の蝶
〈恋文を置き忘れしや冬の蝶〉
雪模みのむし隠遁決めにけり
「雪模様」「雪催」でしょうか?
○見通しの立たぬ就活おでん酒 亀山龍子
湯婆を抱え湯治場長廊下
○ハンター邸固く閉ざして落葉かな
○おでん酒温まってより論深し さかもとひろし
おでん囲む輪にきらめく眼異国人
○永らえて 携える手の 温かく 河彦
○銀杏の葉 掃き清められ 朝の道
○鍋いっぱい おでん貰った 居酒屋いずこ
学生時代の思い出の居酒屋でしょうか。
○三日目のおでん大根父の味 みどり
ふたしかな夜はフウフウ生姜酒
面白い味がありますが、「ふたしかな夜」がいささか言葉が浮遊します。
願わくは日々おだやかな実千両
〈願わくは日々おだやかに〉でしょう。
杯重ねお多福顔のおでん鍋 弘子
○初校出る残る暦は一枚に
この「やれやれ」「さてと」の気分、誠によく解ります。
空動く富士山頂に冬夕日
○おでん煮え 柱時計が九時を打つ 美原子
帰りの遅い家人…でしょうか。
行き過ぎて ふりかえり見る 帰り花
○金柑の届かぬ先は鳥の分
○三世代で囲む夕餉のおでんかな 満子
○急かす親児は山茶花を拾ひ行く
○コンビにのおでんと決めて留守番を 有楽
北吹けば甲州街道の寺の鐘
○一筋の雲に伴して枯野ゆく
「供して」がいいですね。
○帰り待つおでん大鍋ぐつぐつと 意久子
すれちがう男性(ひと)の会釈や師走入り
○人生のプラスアルファ落花生食う
何やら居直ったような、楽しんでいるような。その姿が魅力的です。
○炭窯の煙の青き真昼どき 二穂
○仕事終う顔を並べておでん酒
「終えし」でしょう。
○湯豆腐のありてひと日のありがたし
○エキストラ三三五五やおでん酒 章司
○ころの色ころの歯ざはりおでん酒
おでん酒友と語るは逝きし友 紫微
〈逝きし友のこと語りおりおでん酒〉
集ひたる弊衣破帽の年忘
○八十路越え来て今日の初山河
〈八十路坂越え来て今日の初山河〉
○おでんやに同じ顔あり昨日今日 のぼる
○おでんやの湯気の白かり喜寿祝
おでん酒デフレの世間ぼやきをり
〈デフレの話しており熱きおでん酒〉
○おでん煮る以心伝心旅近し 悠々