道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第101回決着!! 9月の兼題は 「敬老の日」、他、自由でした。
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【評】敬服!何とも、これを外す訳にはまいりません。 唸ってしまいました。皆で(失礼、私は)見習いましょう。 |
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【評】立子の「娘等の鵜か/\あそびソーダ水」を思い出します。 「ラ・フランス」の軽やかさが誠に魅力的でした。 |
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【評】どこの風習でしょうか。「オオカミ」=大神信仰。ケンカイなる老いの智恵。 |
【秀 逸】
敬老の饅頭二つで敬うか 詔一 |
吾というこの厄介なもの酔芙蓉 弘子 |
敬老の日やなにごとも無きぞよし 二穂 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
今年米稼したる家に母祀り 龍子
「嫁したる」?
○正論は傷つきやすし秋の蝉
○生き延びて悔いなき命敬老日 紫微
底ひなき淵は騒がず稲穂かな
豊穣の秋思ひ馳す戦時中
○現世に未練さらなり敬老日 竹風
紫微さんの思いも、竹風さんの思いも、二つながら真実でしょう。
○蟷螂の落武者に似てよろよろと
○秋深し49日の法事終え
49日はやはり「四十九日」と。
○有難き世とも思へり敬老日 あゆ
○邯鄲や満州恋し人のこと
眼前の美女のことより、満州の話ばかり。行ったきり…でしょうか。
○健やかに老いをむかえて老人の日 瞳夢
「老」「老」が重なります。同じ重なるならば下五は「敬老日」と。
○じっとして幼なの肩に赤蜻蛉
「じっとして」は呼びかけ。幼なも作者も息を詰めている感じがよく伝わります。
カウボーイ車中の人に七五三
○銀座道場の100回記念秋高し のぼる
「の」は削りましょう。その方が力が出ます。
○敬老日隣の席の子をあやす
北国の家並の低し花むくげ
秋声や五百羅漢の顔ゆるむ 高風
「顔ゆるむ」がいいのか、「顔細る」がいいのか。
○深き皺語る人生敬老日
○装ひて青春語る敬老会
○あの雲も過ぎゆく風も秋の声 照子
○お互いの老いを認めて敬老会
かくすれば、平和ですね。
ぶどう甘し大地の恵み惜しみなく
○敬老日介護の車定刻に 詔一
○敬老日老老介護の日が暮れて
孫々パパママ妻臥す敬老の日 萬坊
新型インフルエンザか?と案じられます。
敬いてうやまれし歳敬老日
「うやまわれし」?
○とくとくととくとくとくと濁り酒
○敬老の日の湯に伸ばす大腿筋 章司
まだまだ元気!
○敬老日赤子の重くなりにけり
偶然よと老人の日の独り言 明法
「偶然よ」というのが、何が偶然なのか?
○青々と空はからつぽに帰燕かな
〈青々と空からつぽに帰燕かな〉〈青々と空はからつぽ帰燕かな〉
○公転軌道一周また鯊日和
〈公転軌道一周しまた鯊日和〉
○卒寿超え母息災に敬老日 満子
誠に御目出度く。「息災に」が何とも嬉しく。
○白萩の揺るるばかりや昼の黙
○溝蕎麦や沿線どこも無人駅
三句共揃っています。
○彼岸花 色鮮やかに メール来る 河彦
シルバーウイーク 墓前の線香 三陸の海
状況、情景よく分かるのですが…。新聞見出しのようです。
墓前祭 祭主は 八十歳を超え
〈八十を超えし祭主や秋墓前〉でしょうか。
「老人」と向き合う暮らし古時計 意久子
「老人」のカッコは必要ありません。又「老」と「古」を重ねない方がよろしいです。
カッコを付けたのが、「老い」という意味ならば、〈日々老いと向き合う暮らし〉と。
散歩みち大樹の陰の曼珠沙華
○店という六拾余年わが居場所
○老いらくの俳句教室九月 有楽
○二度三度巣の上めぐり燕去る
○いつまでも業引きづりて夜這星
「引きずる」です。歴史的仮名遣いでも。
揃う笑みまだ欲もあり老人の日 方江
上五が不分明。
やっぱりね心の張りか彼岸花
これも同じく。上五、中七で何を言いたかったのか。
○振って消すマッチの匂い彼岸寺
○秋風や政変のとき今至る 二穂
○夕暮れの池にかなかな響きけり
○敬老日豆乳ドーナツのほの甘し 天花
「の」は削る。
○ひやひやと乗り換え駅の長い階
しゃっくりの止まらぬ夜や九月尽
○敬老の花贈られてたじろぎぬ みどり
○われの入る墓の向こうに萩の花
○月丸く影踏み遊ぶ幼児ら
○名人芸誇るでもなし敬老の日 弘子
○とろろ汁その場しのぎの空返事
老人の日憂国の書読みふける 悠々