道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第89回決着!! 8月の兼題は 「流れ星」、他、自由でした。
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夜の蒼さ。激論の若さに通じましょう。「流れ星」と。 |
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流星が消えた先にある夜の富士山。黒々としたその美しい山の形を思います。 | |
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ついでに「戦」の字も紙魚が食ってくれるとよいのですが…。「好」という美しい文字が消えた後の「戦」の字に、建前でない戦争の姿が見える思い。 |
【秀 逸】
流星のかけらの名をもつ耳飾り みどり
美しい名前は、耳飾りの石の名でしょうか。 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○
ベランダを横切る毛虫みとどける みどり
○ 生と死を告ぐる電話や水引草
どのようなドラマがあったのでしょうか。出産にまつわるものか、などと思ったりします。
「水引草」がこの一句を纏めるのに最適かどうか、もう少し考えましょう。
○
芝居果て八月十五日の月 弘子
友と汲み語りたなき夜の秋
「語りたりなき」
○
星飛んでひときわ暗き奥秩父 萬坊
○ ふるさとの山に隠れし流れ星
いいですね。今回「故郷」と「流れ星」の取り合わせ目に付きました。
懐かしいところ、よきこと多いようにとの願いが伝わります。
花火師のこれでおわりとバケツ寄せ
「バケツ」が折角の「花火師」を小さくしてしまいました。
流る叱られ出でし物干場
有楽
「流れ星叱られ出し物干場」ですね。
○ 星流る友を見舞いし帰り途
○ 立哨の練兵場に星流れ
今、昔昔に古書店で買った長谷川四郎の「鶴」を文庫本で読んでいます。昔の
文庫本の活字の小ささに驚きつつ、自身の年齢を実感します。老眼鏡を掛けな
ければ…と。
それにしても、美しい文章です。買った時の若さでは解らなかったでしょう。
何かしら気に懸って買って、そのまま置いておいてよかったと思いました。
「立哨」からつい…。
○
帰省の子発ちし駅舎や流れ星 意久子
「帰省」というのが、歳時記にある意味からずいぶんと外れてきました。
これは「盆休み」での風景でしょうか。
もう一声かけて店番夏祭
「もう一声かけて」がどのような状況か、もう少し解るとよろしいのですが。
昭ちゃんのアキチャンが居て白木槿
本当は「ショウチャン」なのか、本当は「アキチャン」なのか?
流星や西方浄土経し光
明法
遠花火手のひら開く二つ三つ
○ 昼寝覚め道に迷いてよく戻り
夢の中での迷い道。ちょっと楽しく、ちょっと不安な夢だったのでしょうか。
○
アフガンに捧げし命流れ星
さかもとひろし
○ 秋風や貨物列車の長き影
○
流星や日々水揚ぐる丘の村 章司
○
片虹や昇天河野澄子さん
追悼の一句。「河野澄子」という女性を知らずとも、その死への手向けとして
片虹を懸けたい作者の思いは十分に読者に伝わります。
そして伸びやかな女性であったろうことも…。
○
高層のビルの狭間に流れ星 のぼる
○ 里言葉抜けぬ会話や衣被
「衣被」がいいですね。
指立てれば待つ刻も無し赤とんぼ
中七は「待つ間も無しに」でしょうか。
縁台やひとつふたつと流れ星 満子
「縁台」「流れ星」共に季語。
○ 生盆や母息災におはします
「生き盆」=「生御魂」「生身魂」(いきみたま)。いささか季語と「母息災」が
重なりますが、めでたい一句。
○ 島の子の肌は赤銅夏休み
山ノ湯や闇深くして夜這星
二穂
「山の湯の闇深くして夜這星」と。原句だと、「や」で切れるので、
「闇深い・夜這星」がくっつき過ぎてしまいます。添削句だと、中七の後で
ブレスが入りますので、「闇深くして」が「山の湯」に掛かります。
○ 寝ねかてにひとよ遠雷つづきけり
○ みちのくや稲田のつづく自動車道
○
夏休み家突き抜ける母の声
方江
夏休みも日を重ねるごとにこのような…。
○ 朝月や月見草まだ閉じぬまま
恋語る孫すこやかに流れ星
○
英霊てふ骨なき叔父の魂まつり 亀山龍子
早口の祈ぎ事三つ流れ星
いささか欲張り。でも立派な流れ星でしょう、三つも願いを唱えられたのですから。
○ 盆用意遺影の母と長話
胸中の会話が続いて、なかなか用意も捗らないのですね。
○ 星飛ぶや 熊野は闇の
その峰へ あゆ
○ 受付を すいと抜け行く
蜻蛉かな
盆の道 母の育ちし 家朽つる
「盆の道」=「盆路作り」という風習があります。母の生家はすでに朽ちている、
という作者の胸には、多分母の魂は生家へも…との思いが強いのでしょう。
「盆路」というのが魂迎えの為なので、いささかその間が省略され過ぎかと。
土壁に 鳳仙花寄り添う チェジュの村 河彦
「寄り添う」が書き過ぎです。
「チェジュの村の土壁に寄る鳳仙花」
鳳仙花 幼な子の記憶 指先に
○ 水を打つ 神輿の通る 町ごとに
○
故郷へ幸もたらすや流れ星
高風
故郷への深い思いが伝わります。
夏五輪記録更新アスリート
○ 童らの肢体はじける夏休み
○
はるけしや共に見つめし流れ星 照子
○ 流れ星三度唱えし人の名は
夏五輪瞳輝く金メダル
○
流星のわが故里に流れたり
竹風
余生にもなお未知のあり天の河
「余生という未知なるものよ天の川」でも。
残されて生きる一人の盆用意
これは投句済みでは?
○
流れ星銀河鉄道の線路かな
悠々