道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第88回決着!! 7月の兼題は 「雷」、他、自由でした。
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「大西日」によって、夕刻の混みあわない時間の銭湯の様子がありありと想像出来、がらんとした銭湯の天井に桶や湯の音が響きます。 |
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何ということを言っている訳ではありませんが、手打ち蕎麦の仕上がりを見つつ在る時間が、遠雷とどこかで響き合って、静かに豊かな一句です。 |
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「ミサイル」という禍々しいニュース。電光ニュースであろうと、すぐ想定出来ます。激しい雷雨の夜の闇を流れる電光ニュースが、緊迫感を伝えます。 |
【秀 逸】
厨辺のものの影浮く夏の月 満子
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一閃のあと三秒で落雷す のぼる
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雷や宅配寿司を夫と食む 山野いぶき
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丑の日や 割った卵に 黄身二つ あゆ
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雷雨過ぐ漁網いっそう匂ひけり 萬坊
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【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○
雷鳴の轟きスパーク雨の来る 竹風
蝉しぐれ聴き入るエコのシンフォニー
蝉しぐれがエコ、ということでしょか。
○ 残されて生きる一人盆用意
一人で用意する盆用意程切ないものはないでしょう。でも「生きる」の
一語に、力を感じます。
○
いかずちの閃光一瞬街現れる 瞳夢
瞬時の景色、よく解ります。ただ、小説でも、詩でもよく描かれる景色と表現です。
灯を恋て網戸に蝉のひと舞台
「ひと舞台」は感心出来ません。
○ もの炊いて厨にひとり花火きく
○
遠雷や棚経僧の未だ来ず 意久子
道のべの木槿の白や一夜明け
○ 梅雨晴間住宅展示場幟旗
「住宅展示の幟旗」でよろしいかと。
遠雷に河原の水着消えにけり 正巳
注意おさおさ怠りなく。
○ 夾竹桃校門閉まる音がして
〈校門閉まる音のして〉
○ 打ち水や身軽く塀に飛ぶ子猫
夢失せし汗と涙の二十才(ハタチ)かな 高風
遠雷をリズムと聞きし夢の中
〈遠雷を夢に聞きいて目覚めしや〉
○ 雷鳴に思はず言葉失へり
○
一山を洗ひ浄めて雷雨去る 照子
○ 人の世を怒り給ふやはたた神
○ 青簾夜風やさしき円居かな
一句一句、よき空気が感じられます。
○
ひまわりの揃って右向く道を行く 方江
鮎の宿二階まで来る調理の香
「調理の香」を推敲。
○ 雷鳴や旅終る夜の空港に
○
さようなら納骨の済み雷遠く みどり
「さようなら納骨の夜の遠き雷」
願うより感謝あらたに夏の山
中七まで、いささか冗漫。
闇見つめ祈りつつ待つ揚げ花火
雷神は星雲の果て夜にしじま 弘子
○ 大夕焼鳥居目指して入港す
○ 炎天やツアラツーストかく語りき
万緑を逆さに映しヨガポーズ 美原子
「映し」は目に映すのでしょうが、「見たる」でよいかと。
蜘蛛の囲に花弁数片空中花
「空中花」を削りましょう。中七までで、宙に在る(蜘蛛の巣に懸っている)のは解ります。
「何処よりの何の花弁か蜘蛛の囲に」で。
○ 大雷雨小さき靴の落としもの
○
大雷雨大興安の彼方より 有楽
○ 雷鳴の木曽路をひとり急ぎけり
しっかりと句が揃っていました。
雨上がり睡蓮開く一斉に 二穂
○ 雷光の一瞬走り沈む街
大夕焼け東に丸い虹ふた重
この通りの景色だったのでしょう。しかし、「大夕焼け」「丸い虹=円虹」それも
二重虹と詰め込まれすぎて、感動が薄れます。
○
雷鳴るや送迎バスの時刻表 天花
遠はたた男の料理講習会
「遠はたた」の語呂がいま一つです。
○
どどんどん花道踏むや霹靂神 明法
この霹靂神、どのような隈取りかと…。
○ かの世から寄せくる波か流灯会
底紅の咲くや吹ききし風のあり
悪くない句ですが、「咲くや・吹ききし」の間の気息がいささか詰まって感じられます。
「底紅の咲くやと風の吹ききたる」
○
いかづちに幼な真顔になりにけり 満子
下校の児待つや団地の若葉風
山越えの行く手遮る夏の霧 のぼる
○ 夏草の繁るにまかせ旧家病む
○
ふるさとの 虫に素肌は 愛されて 河彦
○ 雷を 避けて長居の 酒の店
○ 美人が降りる 祇園山鉾 京都駅
本来「祇園山鉾」が上五でしょうか。
蹴るボール跳ぬる飛沫や大雷雨 章司
○ 横つ飛びにゴールキーパー雷雨中
○ いかづちや眠れる猫の耳微動
○
雷の後の静けさ猫戻る 山野いぶき
○ 冷奴夫婦喧嘩は終わりにす
○ 神鳴や 何処に落つる
一喝か あゆ
○ 凌霄花 いつまで盛る
夕明かり
沙羅散りてかすかなる音仏の間 亀山龍子
○ トロ箱の蛸の目動く極暑かな
「酷暑・極暑・暑さ」で「かな」となると、どこか類想感が纏わります。
○
病む人の瞳穏やか雷遠く さかもとひろし
○ 病室の窓閉めて聞く筑後の雷
二句共に静かな思いが伝わってきました。
由布岳に遠雷東に太平洋
○
海に向く松みな緑たける夏 よし子
このままで結構です。
遠雷や網つくろふ手赤銅 萬坊
句材はよろしいので「遠雷や網を繕う太き指」でも、あかがね色の大きな手、太い
指は想像出来ましょう。
○
夜の雷上総下総安房統べる (かづさしもふさあは)
なかなか勇壮広大な一句ですね。
雷鳴の不気味さを増す鉄砲水 悠々