道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第82回決着!! 1月の兼題は 「寒風」、他、自由でした。
先回は年頭からお待たせしてしまいました。で、今回は頑張って早目に。 |
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寒風にちぎれ飛ぶ漁協放送。聞き取れぬだけに、緊張感が更に増します。 |
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「鏡開き」の、松の内を過ぎた感覚がおだやかに伝わってきます。 「今朝の日射しかな」は、「日差し」としなかった点も含めて、一句を充足させました。 「俳句」はあれもこれもと言わないことだ、とこういう一句を見ると思います。 |
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「さざめき」「春の波」が、新しい命を伝えます。 |
【入 選】
断ち切れぬ思い断ち切れ冬嵐 みどり
「断ち切れぬ」「断ち切れ」の畳み掛けが、思いの深さと冬の嵐の |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
寒風や耳たぶ赤くペダル踏む 方江
○廃屋となりし官舎に寒き風
○寒風や子等の声とぶ河川敷
○寒風や地震(ない)追悼の燭あまた 吐詩朗
○駅階段吹き上ぐ北風(きた)のちからかな
下五、結構でした。
北風(きた)すさぶ駅のホームやオリオン座
○捕鯨船 しづかに舫ふ 冬深し あゆ
○面妖な 傷 まざまざと 鎌鼬
「面妖」がよく働いています。
○なお走る親父の気迫 寒風裡 瞳夢
「親父の気迫」に、なんだか皆道を開けそうです。
○縄張りの裂帛とどろき寒に入る
建築現場でしょうか。
初鏡 片目でそっと眺めいる
寒風やせわしく揺れる縄暖簾 正巳
○晴れマーク並ぶ予報や寒の入り
○初釜の花びら餅や淡き恋 高風
初写真おどけ顔する孫一人
子供って、絶対に一人は居ますね。年齢も解ります。
寒風や児らの歓声鬼ごっこ
○友逝くや寒風に向きただ歩む 照子
塾帰りがんばる児等に寒の月
○蝋梅に夕日の影のうすくあり
美しい一句になりました。
○朔風や爆弾低気圧来る 有楽
スタンドの価表見上げる寒さかな
一寸、さみしい。
虎落笛拍子木の音夢に入る
勧めても受けぬ盃年忘れ 竹風
何かありましたか?「年忘れ」の開放感が今一つ。
それとも「乗ったら飲むな」の方でしょうか。
○酔う程に饒舌続く年忘れ
吹き荒ぶ孤高に堪えて冬の月
「吹き荒ぶ」「孤高」「堪える」といささか重なり過ぎます。
灯台の寒風割く灯一閃す 明法
<寒風を割き灯台の灯の一閃>
蕨生る空を見上げて何問ふか
寒風や稚かと見れば犬を抱き 章司
本当に、このような景が多くなりました。服を着せられた犬というのには、
どうも抵抗があります。
寒晴やひたすら走者伴走者
<伴走者走者ひたすら寒の晴>
青北風を切るワイナナのストライド
寒風に頬まで帽子を引っ張れり 山野いぶき
○寒風や海の藍色際立てり
霜柱日に照らされて崩れゆく
○寒風や折り紙にある山と谷 天花
出来れば、季語を再考。
○蒼天や妣に届きし年賀状
切ない一句です。「蒼天」が誠に効果的。
○春隣マニキュアの色試し塗る
バス待つや寒風に身を丸くして のぼる
北風やいつも裸の仁王像
○ジャンボ機のつぎつぎと発つ冬日和
気分のよい一句。
節分の大雪の東京は、羽田発が全て発たなかったようですが…。
○寒風や胸に赤児を引きつける 二穂
○薄氷の虹のきらめきまといけり
小春日や翡翠狙うレンズの列
寒風や電線ピンとはりてゆれ 美原子
冬座敷多色づかいの布ぞうり
並べてあるのでしょうか。
○微熱あり侘助の白落花する
<微熱あり白侘助の落ち続く><微熱あり白侘助のまた落ちて>
太き棘春身構える冬薔薇 さかもとひろし
<春来ると身構え薔薇の太き棘>「春」「冬」と一緒に使わぬように。
○枯れ花に残る誇りや冬薔薇
裸木にも言い分ありし冬薔薇
○寒風や鴎外橋の待ちぼうけ よし子
○冬晴れや白虹句碑に歩み寄る
大甕を叩きて春を捕らへけり
もうほんの一寸踏み込んでみて下さい。
○寒風に空青々と沈黙す みどり
手に刺ししブローチの針寒の夜
○寒風や引越しトラック連なれる 弘子
冬晴れや時の裁片切り取りぬ
「哲学」という名に惹かれ冬小経
「小径」?京都の「哲学の道」でしょうか。
○北風やサッカーファンの赤うねる 萬坊
○初富士や盛り蕎麦すする真向かひに
○神主は園長先生初もうで
自在に楽しそうな三句でした。
○縁側に爪を切り居り春はそこ 意久子
北風に祖母の名を呼ぶ夢の中
拍手する母を重ねるテレビ前
在りし日の母上の姿。折にふれ…でしょうが、季語を考えてみて下さい。
寒風を逃れデバ地下物産展 亀山龍子
古雛返して足裏の白さ知る
<足裏の白さありたる古雛(ひいな)>
待望の孫は女の子や雛飾る
おめでとう存じます。
○寒風や己が力を試し漕ぐ 満子
よく「雪を漕ぐ」と言いますが、「寒風」の強さが伝わります。
○正月の空は真っ新星揃う
何ひとつ変らぬままや去年今年
寒風に供花撒き散らす霊地かな 薫子
○冬うらら睫毛の長き陶の猫
ディズニー映画の猫がモデルでしょうか。睫毛の長い、尾の長い美猫。
○ポケットに去年のおみくじ吉とあり
○寒風や「愛」てふ姉の満中陰 紫微
生と死を分つ一夜の虎落笛
神仏の加護あり今日の除夜の鐘
元日や風にたなびく満艦飾 悠々
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